伝えたい言葉6 後編
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/06/26 23:21:18
「ありがとうございます。―――えっと…。」
(何て呼べばいいのかな?社長夫人?滝野さん??)
「そうね。「玲」って呼んでくれると嬉しいわ。」
―――やっぱり、思っていることが顔に出てるんだわ。
今まで家族や友達や、この間知り合ったばかりの滝野毅・黒川などにさんざん指摘されてき...
「ありがとうございます。―――えっと…。」
(何て呼べばいいのかな?社長夫人?滝野さん??)
「そうね。「玲」って呼んでくれると嬉しいわ。」
―――やっぱり、思っていることが顔に出てるんだわ。
今まで家族や友達や、この間知り合ったばかりの滝野毅・黒川などにさんざん指摘されてき...
「お待たせしてすみませんでした。」
玄関ホールに急ぐと、カジュアルな中に品の良さを伺わせる装いの女性が笑顔で笑みを返してくれる。
「いえ、いいんです。―――それよりも、お義父さまからのいきなりなお話でびっくりされたでしょ?」
綾奈は社長夫人とは、「専用の車に運転手付き」というイメージを持って...
「あの、この方は?」
黒川の見せてくれた写真には一人の女性が映っている。綾奈よりは少し年上だが、育ちの良さがその写真からもにじみ出ている。
「彼女は滝野玲さん。滝野財閥社長夫人だ。」
(この間、滔々と会長が自慢していた息子の嫁ってことね。)
綾奈の記憶では、数年前に現会長の息子が結婚ととも...
引越しが漸く完了したとき、綾奈はふと気が付いた。引越しよりも大きな問題が目の前にあることを。
「あぁ~っ!!」
綾奈と一緒に荷物の片づけをしていた諒一と叶斗の手がふと、止まった。
「何だよ、アヤ。大きな声を出して。」
「何?何か買い忘れでもあったの?」
あわてた様子もなく二人の弟は綾奈か...
「分かった。じゃぁ、せめて休みの日に泊まりに行くことくらいはできるんだよね?」
全く理解できないというムッとしたままの諒一とは逆に、溜息を吐きつつ綾奈に問うたのは叶斗だ。
「あ、うん。それは大丈夫よ。引っ越すときに二人の泊まる布団も買わなきゃ、だね。」
「―――携帯。」
「え?」
「携帯...