「契約の龍」(152)
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/02/03 12:26:09
「じゃあ、そこのところがはっきり判るまでは、下手にいじらない方がいいわね。あんたが不妊になられるのは困るし」
「………そうなの?」
「そうなのよ。だから、安易に頼られても、困るの」
「……解った。肝に銘じとく。&helli...
ぶろぐ、の、ようなもの。
「じゃあ、そこのところがはっきり判るまでは、下手にいじらない方がいいわね。あんたが不妊になられるのは困るし」
「………そうなの?」
「そうなのよ。だから、安易に頼られても、困るの」
「……解った。肝に銘じとく。&helli...
座って待つ、と言ったクリスだが、座ってはみたものの、何やら落ち着かない様子だ。手を組んだり解いたり、ついているかどうかも判らないローブの膝の糸屑をつまんで捨ててみたり。
「…緊張してるのか?」
「しない訳ないだろう。だいたい、昨日の話では、明るくなったらすぐにでも準備ができるよう...
二日も三日も大差なかろうに。
「…まあいいか。課題のレポートやってたら、身繕いにかまってる暇、ないよね。……卒業祝い、先払いしてるんだから、卒業できなかったら、…怒るよ?」
「卒業祝い?」
…って、えーと…
...
雪のせいで、離れに辿り着くだけで、もう一仕事終えたような気分だが、まだ現場に辿り着いただけで、何も始まっていない。空を見上げるとまだまだ雪は止みそうにない。帰りまでにどれだけ雪が積もっているか想像しようとしたが、足跡に積もる雪を見ると、怖い想像になりそうなので、やめた。
離れの入り口のドアを開け...
「帰りは、離れを出る前に雪を除けといた方がよさそうね」
「……そう…ですね」
やっと追い付いたところでようやく口が開ける。…息が上がりかけているのは否めないが。
「あ、でも、雪かきの道具、あるかしらね、離れに」
「…さあ...