自作小説倶楽部7月投稿
- カテゴリ: 自作小説
- 2021/07/31 23:25:27
『隣の事件』私と母が住んでいた古くて狭い3階建てのアパートは風の強い日などガタガタと建材がきしむ音がしていつ崩れ落ちても不思議のないようなボロ屋でした。引っ越しが決まった時は母もホッとした顔をしていたので、貧乏のためにやむおえないとわかっていても母自身も危機感を抱いていたのでしょう。きっかけは私が風...
『隣の事件』私と母が住んでいた古くて狭い3階建てのアパートは風の強い日などガタガタと建材がきしむ音がしていつ崩れ落ちても不思議のないようなボロ屋でした。引っ越しが決まった時は母もホッとした顔をしていたので、貧乏のためにやむおえないとわかっていても母自身も危機感を抱いていたのでしょう。きっかけは私が風...
『雨と彼女とその願い』
塾からの帰り道を狙ったかのように雨粒が襲い掛かって来た。このまま走って、びしょぬれでも、雨の日のサッカーの試合の時のように熱いシャワーを浴びれば大丈夫と思ったのに、肩から下げたカバンから変な音がした。背後の路上を振り向くと俺のノートやテキスト、筆記用具がばらまかれていた。ノー...
『吾輩の事件簿』地を蹴って飛んだ。咄嗟に身体が動いたのは吾輩に流れる最強のハンターの血のおかげだ。灰色の車に飛び込み、身をよじってガラスとの衝突を避ける。さらに半回転してリアシートの隙間に入りこんだ。人間のつま先が左肩に当たったが攻撃しようとしたのではなく、驚いたためのようで力はこもっておらず、ダメ...
『楽しみなドライブ』
「少しは自分を客観的に見なさいよ。みんなあんたの自慢話にうんざりしているのよ」友人が静かだが棘のある口調で言った。しまった。また妬まれてしまったわ。本当のことを話しているだけなのに、みんな私の幸せをひがむ。私が幸せなのは仕方ないことなのに。3年前から付きあっている私の彼氏はそれ...
『嫌いな女』僕は彼女のことが大っ嫌いでした。両親を失った可哀想な甥を助けたい。と人に話したことがあったそうですが僕にとっては点数稼ぎとしか思えませんでした。当時彼女は2番目の夫と離婚して女優の仕事に四苦八苦していた頃だったからです。何よりも父の妹だというのに両親が事故で死ぬまで一度も会ったことはあり...