Nicotto Town



自作小説倶楽部7月投稿

『幻の怪人』  「天体の位置もバッチリ。今夜こそ宇宙の使者が現れるに違いないわ」いつでもどこでもハイテンションの天文部部長の鏡子さんの背後で僕はため息をついた。一応、僕たちが所属する部活動は「天文学部」なのだが、もともとそうなのか、現部長の仕業なのか宇宙人とのコンタクトが最終目標...

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自作小説倶楽部5月投稿

『昭和怪談』
ビール? おお、ありがとうよ。冷えてるねえ。仕事で疲れた時はこの一杯が生きがいだよ。あれ? 仕事に集中しすぎてたな。いつの間にか俺一人で残業していたのか。置き去りかよ。みんな冷たいなあ。田中の奴、挨拶も無く帰ったな。田中ってのは俺が指導を任された新人だよ。社長の甥だか、イトコの息子とい...

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自作小説倶楽部1月投稿

『ある一族の野望』

娘のほうは、まあ、少しはいいなと思ったんだ。一族の悲願のためとはいえ、こちらは財産目当てだから醜女と結婚することも覚悟していたんだ。それが、笑うとなかなか美人で、話して見れば嫌味もなく頭もいいし、贅沢もしない。いつか彼女と僕の一族の故郷に旅行しようと約束したんだ。それがだ。突然...

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自作小説倶楽部12月投稿

『小さな女王』
 両親が死んで俺がお屋敷に取り残されたのは12歳になった年だった。父は旦那様の秘書だったこともあり、身寄りのない俺は、そのままお屋敷の使用人たちに育てられることになった。俺に最初に与えられた仕事は一つ年齢が下のお嬢様の話し相手と言われたが、実際はカナリアの代役だった。
 ちょうど...

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自作小説倶楽部11月投稿

『図書の守護者』
 書架の間を数珠や御札を手に行き来していた下級生たちを追い出し、カウンターの内側の定位置に戻ったが読書を再開するには心がささくれてしまい、諦めて本を閉じた。
「また、幽霊探しの子たち?」
 学校司書の高杉さんがにこにこと笑いながら言った。その手は古い蔵書目録をめくっている。わたしは...

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