「*ねばいいのに」 【書き捨て】
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/03/31 13:02:46
# - 誰かの回想。
死ぬ、と思った。
もがけばもがくほど口から溢れ出ていく白い泡が視界で弾けて消えていく。青白く光る水面が遠ざかっていく。
苦しい。
息が出来ないってこういうことなんだと気づいて、死にものぐるいで水面に向かおうとする自分を酷く冷めた目で見ている自分が後ろに居た。
助けてよ。...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
# - 誰かの回想。
死ぬ、と思った。
もがけばもがくほど口から溢れ出ていく白い泡が視界で弾けて消えていく。青白く光る水面が遠ざかっていく。
苦しい。
息が出来ないってこういうことなんだと気づいて、死にものぐるいで水面に向かおうとする自分を酷く冷めた目で見ている自分が後ろに居た。
助けてよ。...
# - 「 また逢える日まで、さようなら 」
――そろそろ戻らないといけない
開いた扉がもうじき閉じようとしていた。もし閉じてしまったら、自分もろとも折角連れてきたルアーノともども永久にこの地獄に閉じ込められてしまう。
だが、言わずとも罪人ーーフランは、わかっているようだった。
足元からぼや...
# - 反対言葉の連立世界式
「なら世界が滅びれば良い」
君は言った。鮮やかで醜悪な笑顔は、この世の全てを見下してなお、僕を魅了させる。
*
「腐った内側を見るのが嫌なら、外側に立って傍観するだけだ」
僕は言った。卑怯で、嘘つきで、気分屋な、斑のある心はいつだって――本当は君だけを求めてい...
――僕がこの街に来たのは、七歳の頃だった。
放浪という名の旅をする姉に連れられて、あちこちを彷徨い歩いては色々なものを見た。楽しかった、と思う。姉はいつも優しかった。曖昧な笑顔は僕を本当に大切に思ってくれていると信じていたけれど、やっぱりどこかよそよそしい言動が――苦手だった。
結局のところ...
キャラクター紹介
・ツヴェルフ / 【12番目】 路地裏に住む野良犬たちのグループ(群れ)の一番下。主人公・ツヴァイ / 【2番目】 グループのサブリーダー
Story - 1 / 1
――雨の音がする。
強く降りしきる雨の鈍い音が耳朶を打ち、身体に水滴を叩き付けている。冬の...