海とコンビナートの見える喫茶店(前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/01/29 21:38:13
本屋を出て商店街のアーケードを抜けると、どんよりと曇った12月中旬の灰色の空は
見上げるだけで、何だか寒々しかった。
小学4年生の僕が東京から数百キロ離れたこの海沿いの小さな町に転校して来て
2ヶ月が過ぎて、学校はもうすぐ冬休みに入る。
日曜日の午後、僕は一人で町をあてもなくぶらぶらしていた。
...
本屋を出て商店街のアーケードを抜けると、どんよりと曇った12月中旬の灰色の空は
見上げるだけで、何だか寒々しかった。
小学4年生の僕が東京から数百キロ離れたこの海沿いの小さな町に転校して来て
2ヶ月が過ぎて、学校はもうすぐ冬休みに入る。
日曜日の午後、僕は一人で町をあてもなくぶらぶらしていた。
...
小学2年の頃の冬、田んぼの中で3人ずつのチームで三角ベースを
やっていた。
そもそも、どんより曇って風も吹いていて、やたら寒かったけど、その内に
雪が降り始めた。
その冬、初めて降る雪だった。
その内かなり激しく降り始めたけど、ゲームは中断されず、アンダースローの
僕は力投を続けた。
夕方、...
タイトル 「1Q84」
9月25日
時刻は既に午後の九時を廻っている。
首都高速5号線の高架下の通りを走る車の数もかなり少なくなって
来た。
看板に夜の一時まで営業と書かれているスーパーの
前に通りかかった時、店内を流れている曲のメロディーが
聞こえ...
今日は早番だったアルバイトが終わって、外に出た時はまだ午後6時になって
なかったけど空はもう真っ暗で、ひんやりとした冷たい空気に、少し身震いする
ほどだった。
様々なネオンサインの看板や街灯、店頭からの照明に照らし出された
池袋ロマンス通りを、多くの人々が行き交っている。
晩秋から冬に季節が移...
10月も終わり近づくと、過ごしやすいと言うよりは少し寒さを感じる。
時折冷たい風が吹き抜ける様になった、午前0時近くになっても
今日は土曜日なので三宮の東急ハンズの辺りは、多くの人が
行き交っていた。
僕は同じバイトをしている、短大生の日出子さんと神戸市営地下鉄の
階段を降りて、自動改札を抜けて...