「契約の龍」(137)
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/12/22 23:24:56
「「金瞳」を封じる、とおっしゃるか?あなたが?」
夜もだいぶ遅い時間だというのに、寝室に持ち込み仕事をしていた国王は、訪問者に向かってそう訊ねた。
「…できるのか?そのような事が」
「完全に、という訳には参りますまいが、しばらくの間あなた様から「龍」へ流れ出している力を遮る事は...
ぶろぐ、の、ようなもの。
「「金瞳」を封じる、とおっしゃるか?あなたが?」
夜もだいぶ遅い時間だというのに、寝室に持ち込み仕事をしていた国王は、訪問者に向かってそう訊ねた。
「…できるのか?そのような事が」
「完全に、という訳には参りますまいが、しばらくの間あなた様から「龍」へ流れ出している力を遮る事は...
黙々と匙を口に運ぶクリスの様子を見ていると、不意にその手を止めて、クリスがこう言った。
「アレクは、食べないの?…じっと見ていられると、食べづらいんだけど」
「食べない訳じゃないけど、…クリスがしゃべったり動いたりするのは、しばらく見られないんだなあ、と思うと」
...
クリスが目を覚ましたのは、日が暮れてだいぶ経ってからだった。
「……どれくらい、寝てたかな?」
目をこすりながらクリスが言う。
「えーと…三時間くらい、かな」
「…そんなに?一時間で起こしてくれればいいのに」
「いろいろあってね。感...
(そうしたら、今度はアレクが学院に縛り付けられることになる。…それは避けたかった)
半透明な腕が、背中側から俺の首周りに巻きつく。感触はないが。
(いつ言おう、どうやって言おうって、ずっと考えてた。でも…結局今までズルズルと先延ばしになって…)
「&...
少女が言葉を失っている間に、青年は少女の指先を丹念に舐め、あまつさえ、口に含みまでした。
「あの……で、殿下?」
指先に感じる舌と歯と唇の感触に顔を赤くして、少女が消え入りそうな声を出す。
「そういった行為は、こんなまだ陽の高いうちからするようなものでは&hellip...