店を出て、ゆっくり歩きながら青年が少女に話しかける。
「それにしても、君の鼻は大したもんだなあ。今までのところハズレの店に当たってない」
「…失敗をごまかしてる匂いのしない所を選んでるだけです。傷んだ野菜や肉の臭いとか、物の焦げる臭いとか。…ここの市では、明らかにそんな...
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まぷこのぶろぐ・・・か？
ぶろぐ、の、ようなもの。
「…お疲れ様。ずいぶん時間がかかったね？」
先に調書を取り終えていた青年がドアの外で待っていた。
「あ…書類の見直しに、手間取って。あと、現場までたどったルートの確認に、意外と時間が」
「それだったら俺に連れられて歩いたから良く判らない、でよかったんじゃ？」
「ああ、そ...
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小屋の扉の陰で、少女とリンドブルムが、一緒に丸くなってうずくまっていた。規則正しい寝息が聞こえる。
「…殿下。王族の方の嗜好に苦情は申し上げにくいですが、これは…」
「…あのな、あらゆる年齢の女をそういう目で見るんじゃない」
「冗談ですよ。殿下のお行儀が比...
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男たちのうち三人は、細身の剣を抜いて青年の方へ向かい、残る一人が短剣を手に少女の方へ走り寄ってくる。青年が上着に仕込んだ刃物を手に取るよりも先に、少女の唇が歌うように一連の命令を紡いだ。その場にいる人間でその言葉を理解できる者はいなかったが、理解できる「存在」はいた。それらの存在たちは、それぞれ自...
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青年は、反応が薄いな、と思っていたが、それは、少女の見かけが幼く見えるせいで、無意識に子どもの反応を予想していたせいだと気がついた。…いや、同年代の少女でも、もう少しはしゃぐものだが。
「……もしかして、人が多くて、疲れた？」
「そう言ってるじゃありません...
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