タケシの武勇伝…(13)
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/10/10 01:45:46
「北野くん、ぼくは君のファンなんだよ…今でもね」
目まで紅くして、シンさんは言葉を続けた。
「町内にすごいピッチャーがいるって聞いてから、ずっと君のこと注目してたんだ…ぼくはこの通りの体でスポーツできない。だから、逆にスポーツのできる人にすっごく憧れるんだ&helli...
思ったこと、感じたことの日記
「北野くん、ぼくは君のファンなんだよ…今でもね」
目まで紅くして、シンさんは言葉を続けた。
「町内にすごいピッチャーがいるって聞いてから、ずっと君のこと注目してたんだ…ぼくはこの通りの体でスポーツできない。だから、逆にスポーツのできる人にすっごく憧れるんだ&helli...
スクリーンには、最後の打者を三振にしとめてガッツポーズするタケシの姿があった。打者21人をパーフェクトに抑えた瞬間だった。
「北野くん、これ覚えてるよね……スゴかったよ、君は!」
シンさんは、車椅子から身を乗り出しながら食い入るようにスクリーンを見ていた。あきらかに興奮...
シンさんの体と扉の形から、完全に病室をイメージしていたタケシはドアを開けて驚いた。部屋の中は、四方の壁はもちろん天井まで見たこともない大型機械に囲まれていたのだ。
瞬間タケシは、宇宙船の中に入った気分になった。
「こ、これって、シンさんの部屋なの?」
6畳間を4つ足したほどある広い部屋を見回し...
中に入ると、目の前にはタケシの部屋より幅の広い階段がデーンとあり、タケシの家の天井の5倍より高い上階へと伸びていた。その高い上階からシンさんが手をふっていた。
シンさんは車椅子に座っており、突然くるりと背を向けると、おもむろに開いた扉の中に消えていった。
一瞬、タケシは「?」と思ったがすぐに訳が...
大きな洋館が敷地の真ん中にデーンと建っていた。
洋館の前には大きな庭があり、真ん中にはこれまた大きな噴水があった。門から入ってきた車は、庭を囲むようにめぐっている砂利道をまわって玄関前に止まるようになっていた。
…おいおい、ここはゴルフ場かよ!
こんなことを考えつつ、ペンギン服じ...