おすがり地蔵尊秘話(10)
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/02/11 12:59:54
車に乗ると、10分くらいですと横谷青年は言った。
「交通の便は車しかないのですか。」
私は早とちりして失策する場合が多いので、営業の車に乗せられてから、バス便はないのかと気付いた。
「そうですね。バスは1日に3本くらいですね。だけど、田舎の雰囲気を求めるとすれば、3本くらいが適当じゃないですか。...
車に乗ると、10分くらいですと横谷青年は言った。
「交通の便は車しかないのですか。」
私は早とちりして失策する場合が多いので、営業の車に乗せられてから、バス便はないのかと気付いた。
「そうですね。バスは1日に3本くらいですね。だけど、田舎の雰囲気を求めるとすれば、3本くらいが適当じゃないですか。...
ホームページを見て、電話をかけてみたが、やっぱり、遠い他府県は何かあった場合を考えると敬遠したくなった。発案と実行が一致しないのが私の悪い点である。妻の秀子からも、軽くみられる要素である。これは間違った見解ではないから、とやかく言われようが直らない。そこで電車で急行が止まる駅ならば、行き帰りに不便...
「お父さんの意見は伺いました。その旨、優子とお母さんに報告します。」
こう言って、前島健太が腰を上げたので、私は、妻の秀子の実家の相続のことが気になったので質問してみた。
「あのさ。秀子の実家の弟から連絡はなかったか。」
「ああ。お母さんの実家の方で何か、揉め事があったようですね。けれども、私は直...
「どういうこと。不安定というのは?」 私は耳を疑ったので、改めて質問した。「私たちの家に来られた時は、多少、興奮しておられましたが、夜、寝られなくなってきまして。夜中に、『お前、やる気か』と叫ばれたりしましてね。情緒が不安定になってきたというか。それで優子が精神科へ連れて行こうかと言ったのですが、僕...
昨夜は友人と飲んだので朝寝坊してしまった。一人暮らしになってから起きるのが億劫になって、お腹が空いてきたと感じてからベッドを離れるようになってしまった。秀子がいる時は、朝の片付けが出来ないからと、半ば強制的に食事をしてきた。こんな日々の中で玄関のチャイムが鳴った。宅急便でも来たのかと一瞬思ったが、...