Nicotto Town



自作小説倶楽部1月投稿

『悪友』
二枚田とは幼馴染です。悪友というんでしょうか。子供のころから悪戯をしてはよく大人に叱られました。でも、私が企んだことはないはずです。近所の柿を盗んで大目玉喰らった時だって、私がおいしそうに赤くなっていく柿を眺めていたら。アイツが「あれくらいならミっちゃんのうちの物干し竿で取れるよ」って...

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自作小説倶楽部12月投稿

『雪の思い出』

「お嬢さん。バスはあと二十分くらいで来ますよ」
 女が文字のかすれた時刻表を見ようとしていると声がしたので思わす飛び上がりそうになった。しかし飛び上がることなく不安定な姿勢で立っていた足を踏み違え傷のある箇所を地面に着けてしまった。
「痛たた」
「まあ、大変、傷だらけ...

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自作小説倶楽部11月投稿②

『ダブル』後編
「ふぅー。やばいやばい」
奈々は子機を放り出し、ソファに倒れこんだ。
 「はしたないわね」
母の九美子が非難の視線を投げかける。
「ねえ、家のローンも払い終わるのにおばあちゃんたちに本当のこと話しちゃダメなの?七五三のこと」
「駄目よ」九美子が勢いよく首を振る。「着物は...

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自作小説倶楽部11月投稿①

『ダブル』前編 「あら、可愛い」
「え、何?」 
三津枝の声に孫の奈々が疑問符で応じた。当然だ。奈々は電話の向こう。東京にいる。
「ごめん。ごめん。テレビに七五三の様子が映ってたから。奈々の時の七五三を思い出すわ」 
「あはは、あたしは悲惨だったよね。写真撮る前に転んで着物を...

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自作小説倶楽部10月投稿②

『ジャック・オー・ランタン殺人事件』②

鴻森 飛子(47歳)瓜塚楠男の姉
まさかこんなことになるなんて、全部悪いのは真奈子です。ご存じでしょう。別れた妻よ。こんなことなら身元引受人も断るんだった。夫が反対したんです。薄情な人だとは思うけど罪を犯したのか弟だから反論のしようもありません。でも妻は...

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