Nicotto Town


しだれ桜❧


 

刻の流れー56

目覚まし時計が鳴っている。アキラが眠い目をこすりながら起き上がると犬飼はもう起きてガレージについたシンクで顔を洗っていた。昨日の朝とはうって変わって、すでにレディー・トゥー・ゴーの犬飼に、アキラもあわててシンクに行き顔を洗った。顔を拭きながらもどって来ると、犬飼がガレージのシャッターを開けて、バンを...

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微かな南風ー20

スティーブは砂漠の運転は初めてだった未舗装のダートラリーも基本は平らな道路を使うのでジャンプポイントも少ないが 砂漠はちがう 乗り越えようとした先がどういう状態かわからないベテランのドライバーは過去の経験からこの地形はと 予測しながら走る 何しろ何があるかわからないそのためにマージンを持って走る今の...

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刻の流れー55

アキラは横浜からバイクですっ飛ばして帰ってきた。が、ガレージにブルーバードが見当たらない。バイクをガレージに入れ所在無げに椅子に座ってさっきの尾行の興奮を思い出していた。
「犬飼さんほめてくれるかな・・・」
半時間もしないうちにガレージの外で車の止まる音がした。エンジン音は犬飼のブルーバードのものと...

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刻の流れー54

一方昼過ぎにガレージから出た犬飼はブルーバードでアキラとは反対側へ走り出した。
情報屋は一昨夜、犬飼に10人余りの政界、財界人の名前を伝えた。紳士クラブの詳しい情報は金と引き換えに明日渡すと言って別れたのだ。犬飼は記憶力が抜群にいい。情報屋の残した名前から、今朝、13人を特定、電話で今夜の予定の探り...

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刻の流れー53

只野の車がウインカーを出した。アキラの予想通り横浜で高速道路を降りるようだ。アキラは慎重にギリギリまで本線を走りウインカーを点けずに降り口へとついて降りていった。信号で間に2台、車を挟んで止まると今までとは違ってエンジンの熱気が足を伝わって上がってくる。日は暮れたが気温の方は一向に下がらない。夏のバ...

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