Nicotto Town


しだれ桜❧


 

微かな南風ー19

「じゃあ出発しましょう」すずらんが声をかけた

タイヤが1mくらいあるトラック 運転席はその上にあるから運転席は見上げる位置にある運転席も頑丈な太いパイプが 内側でロールバーとして組み込まれているバケットシートに 4点シートベルト 3列並ぶと狭い感じがする
真ん中のシートにすずらんが座ると右側にアル...

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刻の流れー51

張り込みをするポイントの打ち合わせをしながら犬飼はアキラが付近をかなり走りこんで枝道まで熟知している事に感心していた。神戸から上京してからというもの新聞配達やバイク便の仕事でかれこれ5年近く、都内を走り回っているという。元気が良いだけでは無く、これは即頼りになりそうだ。なるほど、あの編集長が自分にあ...

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刻の流れー50

隠れ家のある住宅街では昨日の修羅場が嘘のように静かに夜が明けた。犬飼が戻ってきたのは夜中の2時過ぎ、そのまま、疲れにまかせて泥のように眠ってしまった彼をアキラがゆり起こした。
「ここの家の人がさっき持ってきてくれました。」
その手に持たれた盆にコーヒーと食パンの簡単な朝食が乗っている。
「う~・・・...

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刻の流れー49

病室のひろみは眠っていた。麻酔が効いている筈なのに時々苦しげに眉を寄せる。夢をみているようだ。昼間スタジオを出て行った犬飼と入れ替わるように押し入ってきた見知らぬ男。会った事は無いが、声には聞き覚えがあった。今朝彼女を電話でたたき起こした男だ。電話の男は彼女もよく知っている情報屋が死んだと言った。そ...

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刻の流れー48


 「センセ・・・」
振り向くと犬飼の良く知っている女医師が、腕を前で組んで立っていた。
何年か前までは大学病院で女だてらにメスを振るう外科医であったが、どうも人に使われるのは性に合わないらしく、辞職してからはこの町で小さな診療所を開いている。竹を割ったような気性が男勝りで、犬飼と気が合い、医者と患...

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