自作小説倶楽部2月投稿
- カテゴリ: 自作小説
- 2017/02/28 21:30:46
『鬼ごっこ』
いーち、にーーい、
悪夢の中、私は走っていた。
一斉に走り出した子供たちはどこに逃げたのか、もうわからない。
ひとりぼっちで、自分だけで逃げ切らなくてはならない。子供の私は身体も小さい。当然足だって遅い方だ。
鬼は私を狙っている。誰も私を助けてはくれない。本当はこんな怖い遊びはしたく...
『鬼ごっこ』
いーち、にーーい、
悪夢の中、私は走っていた。
一斉に走り出した子供たちはどこに逃げたのか、もうわからない。
ひとりぼっちで、自分だけで逃げ切らなくてはならない。子供の私は身体も小さい。当然足だって遅い方だ。
鬼は私を狙っている。誰も私を助けてはくれない。本当はこんな怖い遊びはしたく...
『エクシー』
あれは僕がまだガウェインから見下ろされるような背丈の子供だった頃です。ガウェインというのは父が飼っていたボルゾイ犬の名前で、時々僕を鼻でつついたり押したり、自分手下だと思っていたようです。当時は父が海外で長く仕事をしていて、母は社交で忙しく。僕の世話は家庭教師のミス・ルートと数人...
『微笑の絵』
「灰田氏はどちらですか」
屋敷の玄関を出たところで藍子はふいに現れた刑事にひやりとした。喪服のような黒のスーツなのに顔には絶えず笑みを浮かべている。それでいて目は笑っていない。昨日初めて会った時から不気味な印象を持っている。
「書斎だと思います」
「失礼ですが、どちらにお出かけで...
『カゲロウの思い出』
あれは僕がまだ子供でやっと中学2年の秋の出来事だった。
灯り始めた街頭の光の中、カゲロウの姿を追っていた視界に人影が掠めた。目を戻すと公園のベンチに人がうつむいて座っていた。若い女性らしい。と思いながら、改めてその姿を観察してしまったのはその人が花柄のスカートに不釣り...
『夢見る人魚』
「う~ん。美味しい。磯の香りがするね」
目の前で彼は大きなフォークとナイフを使い食事をしている。白いテーブルクロスに覆われた丸いテーブルの向かい側にあたしが座っていた。何を食べているのだろう。少し気になったがあたしはあくびをした。やばい、高校の朝礼でもないのにこのまま寝てしまい...