地上の波season2 ①
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/04/24 18:13:50
「さぁ、仕事も終わったし、メシでも食うか、千尋クン。今日はなんにすっかなぁ・・・」 「先月はビーフシチューのフレンチポテト添えでしたよね?この海鮮オムレツアメリケーヌソースって美味しそうなんだけど、アメリケーヌソースって何だろう?」 「それはな、エビの殻で取ったスープに生クリームを入...
猫はただ、風に吹かれながらひまわりの花を観ていました。
まるで懐かしいぬくもりを思い出しているかのように。
「さぁ、仕事も終わったし、メシでも食うか、千尋クン。今日はなんにすっかなぁ・・・」 「先月はビーフシチューのフレンチポテト添えでしたよね?この海鮮オムレツアメリケーヌソースって美味しそうなんだけど、アメリケーヌソースって何だろう?」 「それはな、エビの殻で取ったスープに生クリームを入...
八野は再び、千尋を家の近所まで送る事になった。 千尋は車を降りる直前に、再び思い立ったように話しかけてきた。 「そーだ、八野さん、もうひとつお願いがあるんだけど・・・」 「なんだね、また。」 「夏休みにさ、八野さんのところでバイトさせてくれない?」 「残念ながらな、ウチ...
少女の家から数キロはなれた公園の横に、八野は車を付けて止めた。 「ふぅ・・・この辺りでいいか。あのねぇ、君ねぇ・・・」 「あ、私、千尋って言います。海野千尋です。」 「千尋クンね、じゃその、千尋クン、私は君の・・・千尋クンの母上からもう近付くなと言われてるのよ。それなのにこ...
「はい、どなた?」 若い女性の声がした。 「わたくし、八野武蔵調査事務所の八野と申します。緊急なご報告がございますので、ちょっとお話をさせていただけたらと思いまして。」 「え?あの、なんですか?母は今いませんけど・・・」 「ええ、実はこちらから盗聴波と思わ...
「八野ちゃんさぁ、なぁ、聞いてる?」 「んあ?」 「んあ?じゃなくてさぁ、オレの話聞いてた?ちゃんと。」 「聞いてなかった。」 「頼むよ~真面目に話してるんだからさ。」 「んあ。」 「だからさぁ、盗聴調査一本で喰ってくの大変でしょ?総合調査事務所にしちゃいなよ。」 「いやだね。・・...