月末の金曜日は、有楽町のガード下で麻雀をすることに決めていた。最近の若者は麻雀をしないので、いつもメンバーは同じで、コンプライアンス推進室の40代の同僚だった。
仕事柄、不祥事やもめ事を扱うことが多く、麻雀中は仕事の話はせずに、バカな話ばかりしていた。今夜は、おっさんにとって、一番つらいシチュエー...
月末の金曜日は、有楽町のガード下で麻雀をすることに決めていた。最近の若者は麻雀をしないので、いつもメンバーは同じで、コンプライアンス推進室の40代の同僚だった。
仕事柄、不祥事やもめ事を扱うことが多く、麻雀中は仕事の話はせずに、バカな話ばかりしていた。今夜は、おっさんにとって、一番つらいシチュエー...
高一の一学期も終わりに近づくと、勉強のできる人間、運動の得意な人間、合う合わないということもだんだん分かってくる。
グループを作りたがる女子の中で、香苗は、いつも一人でいた。仲間はずれではなく、一人でいるのが好きな感じだった。大人しくて、休み時間はいつも本を読んでいた。
クラス担任の提案でクラス...
終業式を目前に控えたホームルームで、クラス担任の七宮が「中学最後の夏休みだし、クラスで海水浴にいかないか。」と提案をした。すると、教室に微妙な空気が流れた。
七宮はクラス全員に視線を送った後、「高橋どうだ。」と聞いた。高橋は、「先生、海水浴に行きたいですけど、夏休み中に最後の大会があって、練習を休...
梅雨が明け、群青色の空に綿菓子のような雲が浮かんでいる。クーラーを効かせた店内にも、蝉の鳴き声が聞こえてくる。キッチンには、蝉の鳴き声にまけないくらい、女性の明るい声が響いている。
「せんせー、じゃが芋が熱くて、持てませーん。」
「モテないのは、じゃが芋じゃなくて、洋子さんじゃないの~」
「和子さ...
おやっさんと駅近くの焼き鳥屋でハイボールを飲んでいた。二人とも明日は週休日だ。消防士は、24時間勤務の当番日、翌日が24時間の非番、そして、週に1、2回の週休日がある。非番の時は呼び出しがあるかもしれないので、週休日にしか、お酒をお飲むことができない。
おやっさんは、深酒にならないように焼酎を控え...