ドアノブに手がかかり、ガチャガチャ鍵を確かめている。「ちゃんと、閉まってんやんか。」ジャラジャラ音がして、鍵穴に鍵を差し込む音がした。「おいおい、入るんか?」「中の金庫を見て来いゆう御達しや。」
2人のガードマンが入ってくる。部屋の明かりが煌々と付けられた。最初に入ってきた一人はまず窓の方へと進んだ...
ドアノブに手がかかり、ガチャガチャ鍵を確かめている。「ちゃんと、閉まってんやんか。」ジャラジャラ音がして、鍵穴に鍵を差し込む音がした。「おいおい、入るんか?」「中の金庫を見て来いゆう御達しや。」
2人のガードマンが入ってくる。部屋の明かりが煌々と付けられた。最初に入ってきた一人はまず窓の方へと進んだ...
すずらんがお茶を楽しみながら ふっと気づいたように「アルフ そこのチェックリストを見せてくださる?」
「えっ?」思わず声を出してしまったアルフが 仕舞ってあった書類を手に
「これでございますか?」
と砂漠用のトラックとバイクのチェックリストを差し出した
ころね姫も えっと一瞬おもったが なるほどと思...
計画決行の夜も、ラ・パルフェ・タムールはいつものように営業していた。紳士たちを迎え、美女と美食を提供する。最後の客が去った無人の小部屋で、興津が食器の片付けにかかった。しかし、ロビーでは梶が時計を気にしていた。時間が押している先ほどまでこの部屋でコンパニオンに鼻の下を伸ばしていた県議会議員は食欲も旺...
ホテルの裏に隠れるように建てられたビルの4階に神戸の店はあった。ビルの3階までは保険会社の代理店や、弁護士事務所が入居していて、それらの看板が入り口に見受けられたが、石橋の店の看板はどこにもない。窓はもちろんあるのだか厚いカーテンが引かれていて、そこにレストランがあるなどとは誰にも気付かれない。
石...
田中には情報収集部門を担当している石橋という部下がいた。石橋は政界財界の情勢に精通しており、集めた情報の真偽を見極める天性の才があった。女達を教育し、プロの諜報員に訓練していくのも彼の仕事だ。沈着冷静で、感情に流される事がない。高い指導力と、判断力で部下達を引っ張っていく。たった5年で田中のクラブが...