Nicotto Town


しだれ桜❧


 

刻の流れー7

整備が終わるとようやくバイクに乗せてもらえる。甘い考えで要は初めて自分のバイクに跨ったが、足が爪先状態になって見事にバランスを崩してこけてしまった。要は倒れた車体の真ん中を抱えて必死で起こそうとしたが、重いバイクは頑として持ち上がらない。原田は見かねて要を脇へ押しやった。「見ていろ。」原田はハンドル...

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刻の流れー6

バイクが届くまでに原田は一度タンデムでツーリングに出かけることにした。「おれに、しっかりしがみついとけ。」バイクに跨りながら要にそう言うと、原田はサイドスタンドをカチャンと跳ね上げた。要は後ろのステップに足を載せてシートにまたがり原田の腰に両手をまわしてしがみついた。要は初めてのバイクを味わう事にな...

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刻の流れー5

昼休み男たちと少年が食堂で昼食を取っていると、石橋が様子をのぞきに来た。まず興津が石橋の気配を察して、顔を上げた。それに釣られるように、続いて梶と原田が入り口に目をやる。部屋に入ってきた石橋は、少年ひとりがパンにかじりついているのを見ると、笑った目を興津に向けた。興津が肩をすくめる。それに納得したよ...

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刻の流れー4

ラ・パルフェ・タムールの朝は各自のトレーニングから始まる。軽い朝食の後、ジムでのウォームアップが終わると、梶はスカッシュで汗を流す。原田は腹筋を鍛えた後ビル一階にあるガレージへ消えて行くのが常だ。興津は一人残ってマットの上で柔軟体操をしている要を見ていた。どうやらこれで担当は決まったようだ。ここでは...

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微かな南風ー8

夜7時ごろ スティーブがアルフレッドの部屋にやってきた
半開きのドアをノックすると 「スティーブ ドアは開いてるから」いつものことながら 気配を察知する注意力には驚かされる
「今日は 調べ物をして いないんですか?」
「もうすぐ ころね姫と スズラン様がいらっしゃるので スティーブ ちょうどいいとこ...

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