ハリセンボンの大冒険
- カテゴリ: 自作小説
- 2019/01/08 00:09:28
※12月18日の日記「はりせんぼん」の続編。粗筋を書くと、いじめられっ子のはりせんぼん「嫌太」は、膨らんだまま、元に戻れなくなり穴倉に長い間閉じこもり続けている。ある日、若くて美しい「ペペ」に恋する。嫌太は、ペペに近づこうとするが、ペペを自分の針で傷つけてしまう。自分の愛情が愛するペペを傷つけてしま...
※12月18日の日記「はりせんぼん」の続編。粗筋を書くと、いじめられっ子のはりせんぼん「嫌太」は、膨らんだまま、元に戻れなくなり穴倉に長い間閉じこもり続けている。ある日、若くて美しい「ペペ」に恋する。嫌太は、ペペに近づこうとするが、ペペを自分の針で傷つけてしまう。自分の愛情が愛するペペを傷つけてしま...
愛美(母)は、貴志の布団をがばっとめくった。
「いつまで寝てんの。早く、起きて、雪かきして。」
「まだ、暗いじゃん。大晦日くらいもっと寝かしてよ。」
「何、言ってんの。ご近所さんは、もう雪かきしてるわよ。」
貴志は、いやいやながら起きて、暖かい格好に着替えた。冬型の気圧配置が強まり、雪が降り続いて...
理子と貴志がテレビゲームの刀剣乱舞をしていると、玄関が騒がしくなり、一郎(父)と愛美(母)がリビングに入ってきた。
「理子~、貴志~帰ったわよ~。恵比寿は人でいっぱい。家でのんびりしていたほうがよかったわ。」
愛美は、新品のコートを脱ぐと、ソファーにどかっと腰をかけた。愛美は、テーブルの上に残って...
珍しく、家族4人で夕食を囲んでいた。普段は、姉が会社から帰ると母と二人で夕食を食べ、その後は、父が会社から帰るのが早かったり、僕が帰るのが早かったりするが、それぞれが、後から夕食を食べることが多い。家族4人が揃うのは、先月の母の誕生日以来だった。
「お父さん、早く帰るなら連絡してね。そしたら、ちゃ...
珊瑚に囲まれたちっぽけな穴の中で、夢を見ていた。夢の中の僕は、キラキラと輝く水面の近くを泳いでいた。ウミガメが僕を追い越していく。海の底に降りていくと、好物の貝が転がっていた。貝を食べようとしているとサメがやってきた。サメに飲み込まれようとしたときに目が覚めた。
いつもの珊瑚の穴倉の中にいた。長い...