Nicotto Town


しだれ桜❧


 

刻の流れー3

ビルの4階にあるレストラン、ラ・パルフェ・タムールは吹き抜けで5階の一部を使っているが、それ以外の5階のほとんどは従業員の居住区とジムとなっていた。石橋は要に5階の角の一室を与えた。階段を上がって長い廊下を進むと突き当たるドアから導き入れられる部屋は8m四方のだだっ広い部屋で、左奥に机と裸のベッド、...

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刻の流れ2

「子供をひとり引き取って欲しい。男の子だ。」突然の話に石橋もさすがに戸惑った。「・・・それは、藪から棒でありますな・・・」思わず言葉が途切れる。「・・・男の子・・・ですか?」「わしの娘の子でな、今年6歳になる。わしに似て機械いじりが好きな子だ。」林は細い目をいっそう細めて静かに話を続ける。「父親はい...

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微かな南風ー7

ご主人様が用意したといいう バイクとトラックをガレージでアルフレッドは点検していた
砂漠用に改造したというだけあって タイヤ サスペンション エアクリーナそして大きな燃料タンク 
「なるほど 砂漠用というだけあって 補給なしでかなり走れるな」とつぶやくと胸ポケットの携帯が鳴った
「もしもし アルフレ...

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微かな南風ー6

あれから数日後 スズラン様をお迎えしてのお茶会が滞りなく催されその後片付けが終わってから アルフレッドは自分の部屋でスティーブンスと二人でお茶を飲飲んでいた
アルフレッド「お茶会の時にこの国の成り立ちから現在までのを教えていただいたのだがスズラン様は博識でいらっしゃる」
スティーブンス「私は近代の石...

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刻の流れー1


神戸に開店して丁度3年、その頃のラ・パルフェ・タムールは石橋の思惑通り政財界を騒がせる盗賊団の隠れ蓑としての裏の顔を保ちつつ、上流階級の紳士に快楽を提供する社交クラブとして、着々と富と力を蓄えつつあった。

ある日、石橋が久しぶりにホテルのバーで一杯引っ掛けようと座ったところ、隣の椅子がキッっと鳴...

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