#-【断章】 あなたは何処に居るのですか?
「広いわね」
ザァァッ…と熱い風が、私と彼女に間に吹きぬける。
「えぇ」
どこまでも広がる広陵とした砂漠。
砂、砂、砂…目も眩む太陽。
立ち昇る陽炎は私達にオアシスを見せる。
「どこまで行けばいいのかしら」
彼...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
#-【断章】 あなたは何処に居るのですか?
「広いわね」
ザァァッ…と熱い風が、私と彼女に間に吹きぬける。
「えぇ」
どこまでも広がる広陵とした砂漠。
砂、砂、砂…目も眩む太陽。
立ち昇る陽炎は私達にオアシスを見せる。
「どこまで行けばいいのかしら」
彼...
第一章 #-2 狼
昔々あるところに、小さな町がありました。
豊かな緑と自然に囲まれた町は、いつも活気に溢れていました。
――あの日までは。
「…俺たちはもうお終いだ……」
「暗いよぅ…寒いよぅ…お腹が減ったよぅ&he...
I can not fry,but you can fry.
「今日は何を訊かせてくれるの?」
差し込む鮮やかなオレンジ色の夕日。
爽やかに海の匂いを運び吹きぬける風。
見渡す限りの草原と海。
ここはとある屋敷のベランダ。
美しいソプラノが奏でる少女の声が、ベランダの手すりにとまる...
「おい、早く起きろ」
恐ろしい悪魔が、私の耳元で囁いた。
首筋に当たる恐ろしく大きな刃が異様な冷たさを帯びて私の神経を削ってゆく―――
「ひぁぁあああ!?おっお、おおおおっき起きます!起きるです!!」
ぞわわわわ、と背筋を逆撫でされる悪寒を十倍にしたものが駆け抜けた。
冷や汗が吹...
「…、」
朝陽は残念ながら差して来ず、どんより曇った厚い灰色の雲が窓からのぞく。
「やっぱり、夢じゃなかったんだ…」
一晩寝れば醒めるかと、こっそり期待していたのだが現実は甘くはないようで。
あたしは重い気分で布団から抜け出しベッドに腰掛けた。
しばらく放...