ダークバスター 15
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/03/03 20:25:49
「…」
流石に誰も突っ込む気になれなかった。
村人は預かったそうだ。
水晶の洞窟の奥まで来い?
誰に?
「………“四人の勇者”――」
ヴァシカがポツリと呟いた。
「知ってるのか?」
「…四...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
「…」
流石に誰も突っ込む気になれなかった。
村人は預かったそうだ。
水晶の洞窟の奥まで来い?
誰に?
「………“四人の勇者”――」
ヴァシカがポツリと呟いた。
「知ってるのか?」
「…四...
村に着いた。
木で作られた、俺達三人の背丈全部たしても届かないくらいのとにかくデカイ両開き扉。
鍵穴は無いらしく無造作に取り付けられてある錆びたドアノブが何となく寂しかった。
「人の気配がしないのです…」
「そうだね……」
ギリアとヴァシカが不...
さわやかに駆け抜けてゆく風。
爆発音と賑やかな咆哮と、男女二人の掛け声…――?
驚いて目を開けると、そこには壮絶な戦闘が行われていた。
飛び散る赤紫色の火の粉が舞う星屑と混じって、激しく立ち代わる二人が踊っているかのようだった。
全く状況が分らないまま重い腰を上げ立ち上...
「――――ヴァシカァァァアッッ!!!!!」
幼さが捨てきれない少年の絶叫。
「――ッ?!」
思わず眼を開ける。
差し出される手。
あたしは反射的に手を伸ばし、固く繋ぎあった。
滲んだ視界に映る、灰色がかった黒の瞳。
ちょっとボサボサで乱れた黒髪。
目頭が熱くなって、涙が溢れた...
#-1 星の蒼原
本当にあたしを助けに来てくれる騎士様なんて…居ないのかな…。
――“ヴァシカのことは俺が守るから”。――
実際に言われた言葉じゃないのは痛いほど分ってる。
でもあたしはその言葉に、惑わされてしまった。
凄く嬉しか...