金木犀、ひらり(後編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/10/03 22:56:00
・・・・・・
なんてこった。
1200字、打ち込んだのに、消えてしまった。
明日にしよっと
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なんてこった。
1200字、打ち込んだのに、消えてしまった。
明日にしよっと
深夜に、大型で強い台風が通り過ぎた。窓がガタガタと鳴り、ホースで雨を浴びせられているように雨がガラスを叩き続けていた。ベットに入り、スマホで台風情報を見ていたが、いつの間にか眠ってしまった。
目が覚めると、空は晴れ渡り、10月と思えない暑さだった。残念ながら、高校は普段どおりだった。電車が止まって...
響子は、玄関を開けるとリビングに向かって、「あなたいるの」と声をあげた。マグライトで廊下を照らしながら、妻を迎えにいった。
「エレベーターが動いていてよかったわ。階段で37階まで昇ること考えたら、ぞっとするわ」
「今は、非常用発電で動いているけど、燃料がなくなったら止まる」
「いつ、止まるの」
...
夏休みの補習授業が終わった。塾のない田舎町にある高校で、熱心な先生が、夏休みの補習授業をかってでた。おかげで、高校最後の夏休みは3日しか残っていなかった。
校舎を出たとたんに、くらくらする日差しに、汗が噴き出した。真っ黒な学生ズボンが日差しを吸収して熱くなる。しかも、一週間はき続けているので、気持...
3年前に亡くなったはずの母だった。
「この浴衣、似合っているでしょ。井ノ原のばあちゃんの形見だけど、明治に仕立てられた絞りよ。いいものは長持ちするわね。あら、時間ががないわ。夜明けには戻らないといけないの。羽田に向かうわよ、早く車の鍵をかして」
鍵を渡すと、母は運転席に座り、僕は助手席に座った...