一人ぼっちのカラス 【短編】
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/01/31 21:24:51
――――置いていかないで
カラスの子は泣いた。 けれどその声を、誰も聞いてはいないのだ。
*
通り過ぎる人の波が、道路に横たわる襤褸切れのような何かを時折踏みつけていった。グシャグシャになった黒い羽に、たくさんの足跡が付いていた。 動かない塊は人の形をしていた。事切れたように横たわり、何を...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
――――置いていかないで
カラスの子は泣いた。 けれどその声を、誰も聞いてはいないのだ。
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通り過ぎる人の波が、道路に横たわる襤褸切れのような何かを時折踏みつけていった。グシャグシャになった黒い羽に、たくさんの足跡が付いていた。 動かない塊は人の形をしていた。事切れたように横たわり、何を...
嗚呼、愚かなるリリスの子供たちよ。 濯げぬ罪を背負い、永遠に暗闇と絶望の中を彷徨い続けるのです。
*
「被告人、デュー=ウェアウルフ」「台に立ちなさい」
銀の手錠を五重にかけ、荒縄で腰を縛る。 フラつきながら歩くたび、背後から突き殺されるような勢いで押し出される。 厳かに告げる悪魔の声が法廷を覆い...
αシリーズ開発責任者 薬師神鏡子の手記の一部
・αシリーズ
個体別にギリシャ文字の記号を当てはめたキメラである αから順に製作予定だったが変更 2種の有蹄類+1種の肉食獣、または新たな動物の配合 愛玩用、観賞用に開発予定?←肉食獣を配合する必要性?
...
# - 逆さのシクラメン
「…………わたしを、殺すのですか」
*
「あら……一つ足りませんね」
並べられた便箋を数え終え、白いカラスは唇に指を這わせる。別段、足りなくとも構いやしないのだが、〝彼女〟にとって...
# - ユダの木に跪け
嗚呼、世界は無情だ。 1秒ごとに人が死ぬし、毎日どこかで戦争が起こってる。 でもそれを神さまは許すんだ。 どうしてだろう?
神さまなんて居ないからさ!
助けて欲しいかって聞くと、みんな頷く。 だって僕は神さまだからね。
さっきと言ってることが違う?
そうだね。 ご...