「……ポチ?あれが?」
クリスが「ポチ」と呼ぶ――そしてセシリアがリンちゃんと呼ぶ――リンドブルムは、確かクリスの腕にとまれるサイズじゃなかったか?
「ちょっと頑張って恩返ししてほしいんだけど」
リンドブルムが中空で羽ばたきながら、甘えたような声で一声鳴く。…やっぱり「ポチ」なのか。
...
ぶろぐ、の、ようなもの。
「……ポチ?あれが?」
クリスが「ポチ」と呼ぶ――そしてセシリアがリンちゃんと呼ぶ――リンドブルムは、確かクリスの腕にとまれるサイズじゃなかったか?
「ちょっと頑張って恩返ししてほしいんだけど」
リンドブルムが中空で羽ばたきながら、甘えたような声で一声鳴く。…やっぱり「ポチ」なのか。
...
「封の呪」は、中にあるモノを外へ出さないようにする結界の呪陣なので、「幻獣憑き」であるクリスは「封の呪」が発動している間、呪陣の外へ出ることができない。魔法によって内側から呪陣を壊すこともできない。呪陣は結界の外にあり、結界の効果は、魔法そのものにも効果を及ぼすからだ。
「封の呪」だけならば、...
軽い衝撃があって、自分の体に戻ったのに気付く。
傍らのクリスの様子を窺う。
呼吸が浅いが、前の時ほど消耗した様子は見られない。
微かに身じろぎして、ゆっくりとまぶたを開ける。
「アレク?…食べられてない?」
「現実の体の方は、大丈夫そうだ。……ちょっとこわばってるかな?」
...
金色の光の奔流は、やがて暗闇の中を貫く一筋の光となり、それを辿っていくと、青い空間に到達した。
(…ここが、ゴール?)
さまざまな色合いの、青い色が、流れ、渦巻き、押し寄せてくる。
(……おそらく。前来た時と感じが似てる。…降りてみよう)
(降りる?)
この、上下も左右も判らな...
見ると、クリスの「金瞳」が活性化している。クリスが俯いて両手で胸を押さえているがその隙間から淡い金色の光が洩れている。
「私が抑えきれなかったら、悪いが、ここ、遮蔽してくれないか?」
金色の光が、命あるもののようにのたうつ。案内役の二人が後退りするのが目に入る。
「この建物全体に、「封...