Nicotto Town



自作小説倶楽部11月投稿

『温かな午後』
「畜生」思わず罵りが唇からこぼれ落ちた。かつての相棒から「お前は詰めが甘い。勝ったと思った瞬間、ボロを出して負ける」と言われたことが頭をよぎる。俺より少し年上なだけで随分御託を並べてくれたが、俺より先にしくじって今は僻地の刑務所にいるはずだ。ざまあない。それに、まだ仕事は途中だ。自分...

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自作小説倶楽部10月投稿

『ハロウィンの小話』
「トリック・オア・トリート!」休日の静かな夕べを無粋なブザーで邪魔され、それでも老人ホームに居る父親がくたばった知らせかもと思ったので玄関のドアを開けました。そしてその言葉です。カボチャ頭のお化けに青白い顔の魔女にミイラ男、6、いや8人くらいいたかな。彼らが爛々と目を光らせて私...

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自作小説倶楽部9月投稿

『人形の涙』
惨めな身の上です。幼いころは狭い部屋に住んでいて、目の前にはいつも酔っぱらった男女がいました。彼らが喧嘩を始めると私はドアから外の廊下に飛び出して、違うわ。これは私が思いだしたことね。あの私の両親かもしれない人たちがどうなったのか、どうして私がM夫人に引き取られることになったのかはわか...

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自作小説倶楽部8月投稿

『海の底』A君の証言中学生になった最初の夏だ。遊泳している友達の下まで潜って足を引っ張る遊びが流行った。みんな身長だけ伸びてまだ子供だったのだろう。幼稚で残酷な遊びだ。その日も暑く、僕は友達4人と泳ぎに来ていた。地元の海だから、顔見知りがあちこちにいる。しばらく泳いでいると友達の一人が目配せをした。...

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自作小説倶楽部7月投稿

『隣の事件』私と母が住んでいた古くて狭い3階建てのアパートは風の強い日などガタガタと建材がきしむ音がしていつ崩れ落ちても不思議のないようなボロ屋でした。引っ越しが決まった時は母もホッとした顔をしていたので、貧乏のためにやむおえないとわかっていても母自身も危機感を抱いていたのでしょう。きっかけは私が風...

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