「きゃ~っ。玲さん、いらっしゃい♪」
孝也が玲をつれてきた第一声がこれであった。
「お、おじさま、おばさま。ふつつかものですがよろしく・・・。」
玲の挨拶もそこそこに、孝也の母親が玲に抱きついた。
「硬い挨拶なんて抜きよ。さぁ、いらっしゃい。玲さんの部屋はもう用意し...
「きゃ~っ。玲さん、いらっしゃい♪」
孝也が玲をつれてきた第一声がこれであった。
「お、おじさま、おばさま。ふつつかものですがよろしく・・・。」
玲の挨拶もそこそこに、孝也の母親が玲に抱きついた。
「硬い挨拶なんて抜きよ。さぁ、いらっしゃい。玲さんの部屋はもう用意し...
翌日の夜7時。
如月邸に程近いレストランで待ち合わせをした孝也と玲は、婚約して初めての二人きりの時間を持つことになった。 そしてそれは、他人が思っているよりもずっと深刻な話し合いとなった。
「実は、大変なことになったんだ。」
何の前置きもなく、単刀直入に話を進めてみる。
「昼前、お...
「彼方って素敵な名前よね。どこまでも遥か遠くまで、空の彼方が見渡せる気がするもの。」
―――そう私が貴方に言った教室がある旧校舎が取り壊されることになったのよ?知ってる?
私は数年ぶりに母校を訪れた。高校時代の友人に、私たちが授業を受けていた教室のある旧校舎が取り壊されると知らされて数日たった...
「それと、毎日夜8時ごろ。どこかに行ってる、よね?」
ドキッとする。その時間は毎日雅也と食事をしている時間だ。
「どこって、ちゃんとこのマンションにいてるわよ。」
嘘ではない。雅也の部屋もこのマンションだからだ。
「そう?」
「そうそう。何よ、いきなり?」
「なんとなく、だよ。そんなに...
「アヤ」
「姉貴」
綾奈マンションの最寄駅。いつもの待ち合わせ場所に行くと、笑顔で片手をあげる二人の姿がある。1週間ぶりの澤井家の集合である。
「お待たせ。久しぶりね。」
「アヤ、一人暮らしになって太ったんじゃね?俺たちがいなくなったからって、好きかってし放題になってんじゃないのか?」
...