雨の日曜午前2時、その部屋に彼女がいた (前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/06/30 19:48:53
夜の九時近くになっているので臨海工業地帯方面に向かう一両編成のワンマン車両には
僕の他には3人しか乗客がいない。
車内から眺める車窓の外の雨の夜の風景には段々と住宅の明かりが減って来て
倉庫と空き地が目立つ様になって来た。
この臨海鉄道と並走して埋立地に向かって伸びている道路を、10tトラックが...
夜の九時近くになっているので臨海工業地帯方面に向かう一両編成のワンマン車両には
僕の他には3人しか乗客がいない。
車内から眺める車窓の外の雨の夜の風景には段々と住宅の明かりが減って来て
倉庫と空き地が目立つ様になって来た。
この臨海鉄道と並走して埋立地に向かって伸びている道路を、10tトラックが...
僕らは人で溢れかえっている連休中のWINSで、何とかはじめての馬券を買う事が
出来、あまりにも人が多過ぎたので結局、レースは近くにあったテレビ中継を
放映している喫茶店に入って観戦する事になった。
僕らが店に入った時、既にテレビでは出走場が本馬場に入場している場面が
映し出されていて、実況アナウン...
・・・
♪ 悲しい事はきっと この先にもいっぱいあるわ ♪
♪ My darling. Stay gold. 傷つく事も大事だから ♪
宇多田ヒカル 「Stay Gold」
・・・
向かい側のホームの方を見ると駅舎の脇に植えられたツツジの薄紅色の花が
強い陽...
「私とやりたいと思ったら、私はいつでもあなたとやってあげるわよ。
・・・心配しなくても私がちゃんとリードしてあげるから」
杏子センパイが言った。
僕ら二人が歩いている国道脇の歩道のすぐ下の畑では紺色のJA(全農)の帽子を
被っている、よく日焼けしたマスダの爺さんが作物をいじっていたが、思わず振...
「ヘイ!石松ボーイ」
連休が近付いた、4月終わりのある日の放課後、帰宅しようとしていたら、廊下で
担任のドナルド先生に呼び止められた。
「ミーのゼンはこの前よりさらによりイッソウ深まりましたデス。きょうはトテモアリガタイ
オハナシをシテアゲマスです」
ドナルド先生が言った。
ぶっちゃっけ、...