罪と罰Ⅱ【言霊のロンド】6/6
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/02/23 17:55:13
騒動の後、少女はカズサの秘書として引き抜かれた。一等兵という仮の看板を剥奪され、授けられたのは上級大将としての栄誉だった。元から小回りの利くメリケンサック使いとして、カズサの用心棒にも抜擢される。
その能力と寡黙さを買われて。
一方、上級大将に楯突き、要塞を私的な理由で破壊し自軍の者に必要以...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
騒動の後、少女はカズサの秘書として引き抜かれた。一等兵という仮の看板を剥奪され、授けられたのは上級大将としての栄誉だった。元から小回りの利くメリケンサック使いとして、カズサの用心棒にも抜擢される。
その能力と寡黙さを買われて。
一方、上級大将に楯突き、要塞を私的な理由で破壊し自軍の者に必要以...
ヤエは、お父様のこと。そんなに信じてたのね。
愛された分愛し返そうと必死だったのね。捨てられたこと、信じられなくて。まだ、あの時の約束を守ってるのね。
あの時、ヤエが見せた笑顔は。まだ希望はあると信じていたから、向けてくれたものだったんだわ。
私は何をした?いとも簡単にお父様への想いを忘れた...
翌日、少女は部屋の掃除を頼まれ、意気揚々と与えられた仕事に邁進していた。
なんだか召使みたいで嬉しかったのだ。 だから、それを見つけてしまったのは。
単なる偶然だった。
気づけという意味だったのか。それとも、俗に言う運命の悪戯とか、そんなものだったのか。
――どちらにせよ。 叩きで棚の埃を...
* どうせ明日も来るだろうと、読みかけだったその本を階段に置いて倉庫を後にした。
何故かその後、徐々に視界が霞がかって、すぐ10センチ先もぼやけて良く見えなくなったので、覚えたての印を結んで視力を調整した。お陰で視界が曇りだした時以上に良く見えるようになり、ますます少女は高揚した。
そのまま真っ...
そして感じたのは、他の者を無造作に透かし見たのとは比べ物にならないほどの情報量と、抱えきれないほどの感情の嵐。
でもそれは全て、私と、お父様に捧げられる愛。カズサ様に向けられる、感謝と信仰がないまぜになった愛。
同時に恐怖も感じた。何に怯えてるの?誰もヤエを傷つけたりしないのに。
けれど、そ...