Nicotto Town



自作小説倶楽部8月投稿

『海の底』A君の証言中学生になった最初の夏だ。遊泳している友達の下まで潜って足を引っ張る遊びが流行った。みんな身長だけ伸びてまだ子供だったのだろう。幼稚で残酷な遊びだ。その日も暑く、僕は友達4人と泳ぎに来ていた。地元の海だから、顔見知りがあちこちにいる。しばらく泳いでいると友達の一人が目配せをした。...

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自作小説倶楽部7月投稿

『隣の事件』私と母が住んでいた古くて狭い3階建てのアパートは風の強い日などガタガタと建材がきしむ音がしていつ崩れ落ちても不思議のないようなボロ屋でした。引っ越しが決まった時は母もホッとした顔をしていたので、貧乏のためにやむおえないとわかっていても母自身も危機感を抱いていたのでしょう。きっかけは私が風...

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自作小説倶楽部6月投稿

『雨と彼女とその願い』
塾からの帰り道を狙ったかのように雨粒が襲い掛かって来た。このまま走って、びしょぬれでも、雨の日のサッカーの試合の時のように熱いシャワーを浴びれば大丈夫と思ったのに、肩から下げたカバンから変な音がした。背後の路上を振り向くと俺のノートやテキスト、筆記用具がばらまかれていた。ノー...

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自作小説倶楽部5月投稿

『吾輩の事件簿』地を蹴って飛んだ。咄嗟に身体が動いたのは吾輩に流れる最強のハンターの血のおかげだ。灰色の車に飛び込み、身をよじってガラスとの衝突を避ける。さらに半回転してリアシートの隙間に入りこんだ。人間のつま先が左肩に当たったが攻撃しようとしたのではなく、驚いたためのようで力はこもっておらず、ダメ...

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自作小説倶楽部4月投稿

『楽しみなドライブ』
「少しは自分を客観的に見なさいよ。みんなあんたの自慢話にうんざりしているのよ」友人が静かだが棘のある口調で言った。しまった。また妬まれてしまったわ。本当のことを話しているだけなのに、みんな私の幸せをひがむ。私が幸せなのは仕方ないことなのに。3年前から付きあっている私の彼氏はそれ...

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