伝えたい言葉12 前編
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/09/13 18:57:43
「アヤ。仕事はもう慣れた?」
「うん、まぁまぁって感じかな。」
「姉貴、ちゃんとご飯食べてる?」
「食べてるよ。あんたたちこそ、コンビニ弁当とかで済ませてないわよね?」
毎日の日課の報告会である。携帯電話の家族割で、電話料金は無料なので電話代を気にしないで話せるのは澤井一家人とっては本当に...
「アヤ。仕事はもう慣れた?」
「うん、まぁまぁって感じかな。」
「姉貴、ちゃんとご飯食べてる?」
「食べてるよ。あんたたちこそ、コンビニ弁当とかで済ませてないわよね?」
毎日の日課の報告会である。携帯電話の家族割で、電話料金は無料なので電話代を気にしないで話せるのは澤井一家人とっては本当に...
「今日の仕事はどうだった?」
「相変わらず会長は黒川主任に怒られてました。」
雅也の問いに綾奈は苦笑を返す。
805号室。最近は夕食はよほどの用事がなき限り綾奈はここで雅也と食事を共にするようになっていた。
きっかけは、綾奈の「夕食作り」だ。
今まで3人暮らしで、弟二人だったので必然的...
「―――珍しいわね。黒川主任も同席でKisaragiコンツェルンに行くなんて…。」
綾奈と同じように雅也たちの背中を見送っていた真紀がぼそっと呟いた。
「そうなんですか?Kisaragiコンツェルンって大企業ですから、当然じゃないんですか?」
「え?あ、そっか。澤井さんは知...
しばらくすると、黒川と雅也がガタンと席を立った。
(―――そういえば、今日は社長に同行するとかいう話だったんだった。)
その音に綾奈の視線がパソコンから社長室に入っていく二人の背中へと移る。
普段の社長の同行には雅也一人で就くことが多いようだ。黒川は会長・社長二人の秘書を兼ねてはいるのだが...
パタン。
大きな音を立てないように会長室を出た綾奈は先に部屋を出ていた黒川の視線を受け立ち止まる。
「あの…。」
「分かっているとは思うが、会長の戯言に付き合う必要はない。君は会長のペースに乱されずに仕事をしてくれたまえ。今日は私はこのまま社長のに同行させてもらうことになって...