もしも明日が (前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/02/27 22:37:26
僕と福沢加奈は多くの人ごみに混じって後楽園場外馬券売り場を出て外堀通りを
飯田橋の方へ向かって歩いて行った。
僕らが歩いて行く先の西の空ではもう既に日没が近付いていて日は晩秋の街並の
向こう側に沈んでいこうとしている。
建ち並ぶビルと紅葉し落葉しはじめた街路樹のとうかえでに挟まれて続いている
...
僕と福沢加奈は多くの人ごみに混じって後楽園場外馬券売り場を出て外堀通りを
飯田橋の方へ向かって歩いて行った。
僕らが歩いて行く先の西の空ではもう既に日没が近付いていて日は晩秋の街並の
向こう側に沈んでいこうとしている。
建ち並ぶビルと紅葉し落葉しはじめた街路樹のとうかえでに挟まれて続いている
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オッズモニターで東京メインレースの10レースのオッズを確認する。
単勝馬券のオッズと枠番連勝式馬券のオッズが表示されたモニターをみると
その時、10番カツラギエースの単勝オッズは40・6倍だった。
「ところで2着にはどの馬が入るんだ?」
僕は福沢加奈に聞いてみた。
「優勝したのがミスターシー...
・・・
東京10R 第4回ジャパンカップ(G1) 芝・2400m (晴・馬場・良)
1枠 1番 ミスターシービー (日) 吉永 3.3倍 1人気
2枠...
11月25日(日曜日)
・・・
朝食の後、とりあえずリビングでテレビをつけて、ぼんやりとした。
窓の外にはどことなく冬が近づいている事を思わせる澄んだ青さの空が広がっていて
穏やかな晩秋の朝の陽射しが地上に降り注いでいた。
「新聞を読ませてもらってもいい?」
福沢加奈が言った。
「う...
(2)
・・・・
暗闇の部屋の中でぼんやりと目が覚めた。
窓の閉めたカーテンの隙間から見える外は冷気に包まれた静寂の闇が
広がっている。
新聞配達のバイクの音が途切れ途切れに聞こえた。
徐々にはっきりして来る意識の中で今日が日曜日である事、今、両親が家にいなくて
家に僕...