アリスサークル小説。【短編】
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/11/07 20:46:07
# - 殺人鬼と泣き虫の時計屋。
殺人をはじめたのは、ただ失恋したからなんて理由じゃない。
目の前で愛する人を奪われて、ふと思ったんだ。
あいつらを斬ったら、どんな色の血が出るかなって。
――殺せ、とキコエた。
熱に浮かされたように茹だった頭の中に響く声。
手にした剣を振...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
# - 殺人鬼と泣き虫の時計屋。
殺人をはじめたのは、ただ失恋したからなんて理由じゃない。
目の前で愛する人を奪われて、ふと思ったんだ。
あいつらを斬ったら、どんな色の血が出るかなって。
――殺せ、とキコエた。
熱に浮かされたように茹だった頭の中に響く声。
手にした剣を振...
# - 0 / 4
『――でも、あんたを殺せば、みんなを生き返らせることなんて、造作もない――!』
まるで血を吐くように、凄まじい形相で少女は叫んだ。
振りかざされた紅蓮の炎が闇を裂く。陰気な路地裏は戦場と化した。
「……聞き分けの悪い子は嫌いよ」
...
# - 0 / 3
戦慄。
「……え?」
言葉が出なかった。
発するべき言の葉は決まっていたのに、驚き、そして恐怖に掻き消された。
本来ならば起こるはずのない事。
だがいつだって、常識から逸脱した現象...
# - 0 / 2
「ふぅん?」
ひとまず気に入ってもらえたようで、翳籠は気づかれないように溜め息を吐いた。
彼女ほどの妖怪になると耳や尾を隠すのは簡単だが、中途半端に力を持っていると不便なことのほうが多い。
特に自分のように、彼女から力を分け与えられて九尾として顕現している身で...
# - 0 / 1
「――残念だけれど、貴女はもうこの世界にいらない人間よ」
神からの宣告。
九尾の女狐は知ったような顔で言う。
受け入れたくないとか、信じたくないとか。
そういうわけじゃなくて、ただ。
――謝りたかったんだ。
それだけなのに。
「っやだ…&h...