伝えたい言葉9 前編
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/08/06 01:45:10
「今日はどこに行こうか?」
朝。顔を合わせて早々の会長の言葉だった。このところ毎日である。
さすがに仕事を始めて一週間くらいは会長付きとはいえ特に会長の用事をすることはなく、いろんな先輩から仕事を教わりながら一日を過ごしていた。だが一週間を過ぎたころくらいだろうか。こうやって毎日のようにどこ...
「今日はどこに行こうか?」
朝。顔を合わせて早々の会長の言葉だった。このところ毎日である。
さすがに仕事を始めて一週間くらいは会長付きとはいえ特に会長の用事をすることはなく、いろんな先輩から仕事を教わりながら一日を過ごしていた。だが一週間を過ぎたころくらいだろうか。こうやって毎日のようにどこ...
「なんだかよく分からないんですけどね。」
まぁ、そうとしか言えないだろう。毅の心底がみえないのだから。第一、毅の言う“『一般人』の感覚を持っている人が近くにいてほしい”や、“将来への投資“といった言葉を頭から信じていない。だが、現実問題今回の滝野コ...
昼休み。
綾奈は遅れてやって来た滝野コーポレーション社長第二秘書、龍野雅也と向かい合って食事をしていた。
「びっくりだったね。―――昨日に引き続き。」
雅也の言葉に綾奈は大きく同意する。
「本当に。龍野さんが転属したのはこの間お聞きしてましたけど、まさか同じ部署になるなんて―――まぁ、私な...
「あの、小山さん。」
「ん?何かわからないことがあった?」
『秘書の心得』なるものを綾奈に渡して読んでおくように指示した真紀はパソコンから視線を綾奈へ移す。
「あ、いえ…。まだ来られてない方がいらっしゃるんですか?」
「えぇ。先月入った新入り君。他部署から転属してきた人でね。...
―――やっぱり、根っからのお嬢様だわ。
3件目の店に入った後の、それが綾奈の玲に対する感想だった。
1件目、2件目とも洋服を見ていたのだが、どうしても綾奈は「似合う」ということよりも「値段」を意識してしまうのだ。さすがに超有名ブランドには入らないものの、それでも綾奈が聞いたことのあるメーカーの...