土曜日の夜と日曜日の朝 (中編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/12/08 19:50:11
11月24日(土曜日)から25日(日曜日) 東京
僕はその500硬貨を手にとって眺めてみた。
桐の描かれた上の部分に(日本国)の文字があり、下の部分に
(五百円)の文字がある。
硬貨を裏返してみると500と描かれている0の中が変に汚れているのに
気付いたがよく見ると無数の細かい線が刻まれてい...
11月24日(土曜日)から25日(日曜日) 東京
僕はその500硬貨を手にとって眺めてみた。
桐の描かれた上の部分に(日本国)の文字があり、下の部分に
(五百円)の文字がある。
硬貨を裏返してみると500と描かれている0の中が変に汚れているのに
気付いたがよく見ると無数の細かい線が刻まれてい...
(変な土曜日・・・からの続き)
11月24日土曜日
東京ジムのゴングが鳴って、スパーリングが始まった。
相手の井沢クンと、リングの中央で16オンスのグローブを合わせる。
昨年、今年のインターハイ(高校総体)のライト級で優勝している井沢クンは
プロに転向する為に今度プロテストを受ける事になって...
11月23日(土曜日) 東京
私は占い師の空野瑠奈さんについて行ってすぐそばにあった小さな公園に入った。
公園の中に入ると空野瑠奈さんは、振り返って私と向き合った。
彼女の背後には52階建てのアウルタワービルが夜空に向かって聳え建っている。
「両手を出して私の手を握って」
瑠奈さんが両手...
11月24日土曜日、東京
ジムのゴングが鳴って、スパーリングが始まった。
相手の井沢クンと、リングの中央で16オンスのグローブを合わせる。
昨年、今年のインターハイ(高校総体)のライト級で優勝している井沢クンは
プロに転向する為に今度プロテストを受ける事になっている。
彼の身長は僕より...
「大村クン」
背後から思いがけず不意に名前を呼ばれたので僕は驚いて振り向いた。
すぐ後ろに大学の同級生の長船(おさふね)京子が立っていた。
右手に折りたたんだトウチュウ(スポーツ新聞)と赤のサインペンを持っている。
「大村クンも競馬やるんだ?」
長船京子が言った。
彼女は大学ではどちら...