「昨日はすみませんでした。弟たちが突然お邪魔したみたいで…。」
いつもの雅也の部屋だ。ここのキッチンでご飯をよそいつつ、綾奈は謝罪する。諒一と叶斗は何をしに雅也の部屋を訪れたのかは頑として言わなかったのだが、行き先だけは話していたのだ。
「いや、まぁ、予想してたからね。」
応える...
「昨日はすみませんでした。弟たちが突然お邪魔したみたいで…。」
いつもの雅也の部屋だ。ここのキッチンでご飯をよそいつつ、綾奈は謝罪する。諒一と叶斗は何をしに雅也の部屋を訪れたのかは頑として言わなかったのだが、行き先だけは話していたのだ。
「いや、まぁ、予想してたからね。」
応える...
「姉と知り合ったのが一年以上前というのはどういう事ですか?姉が会社に入社したのは数か月前ですけど?」
叶斗はいたって冷静に問いかけた。すぐにかっとなる直情型の諒一には任せれないと思ったのだろう。
「澤井さんがうちの会社に入社する前、夜にビルの清掃をしていた時だよ。」
それ以上詳しく言うつもり...
ピンポーン。
諒一の指がインターフォンを押すと同時に、ドアの向こうで音がした。
『はい。』
「すみません、突然。澤井綾奈の家の者ですが…。」
インターフォンを押したのは諒一だが、何故か答えたのは叶斗である。
『あぁ。ちょっと待ってくれるかい?すぐに開けるよ。」
応じる声...
だが、理性よりも感情で動いてしまう雅也には到底無理な話だ。
(まだ、異性と認識されてなかったとしても)雅也の心の天秤は綾奈にぐっと傾いているのだ。こればかりはどうしようもない。今、雅也が考えているのは『どうやったら綾奈に男として意識してもらえるか?』その一点である。
だが、当の本人には全く意識さ...
一方、目の前で叶斗にバタンと、大きな音を立ててドアを閉められた雅也の方はというと…。
(これは、牽制されたかな?)
そうであれば綾奈よりもよほどそっちの方面には勘が働くのだろう。
「まぁ、それが普通かな?」
とも思う。何といっても綾奈はそっちの方面には疎いようだ。よもや本当...