欲をたつ
朝、目が覚めると同時に画面が光る。
おはようの代わりに、通知が喉を掴んでくる。
仕事は親切だ。
隙間という隙間を、丁寧に埋めてくれる。
空白を見つけては鍵を差し込んでくる。
いつの間にか、欲しいものがわからなくなった。
欲をたつ、とは、炎を消すことではない。
...
欲をたつ
朝、目が覚めると同時に画面が光る。
おはようの代わりに、通知が喉を掴んでくる。
仕事は親切だ。
隙間という隙間を、丁寧に埋めてくれる。
空白を見つけては鍵を差し込んでくる。
いつの間にか、欲しいものがわからなくなった。
欲をたつ、とは、炎を消すことではない。
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深夜の窓辺に立つと、 街は遠い水槽みたいに光っている。 あ、あそこの部屋、 カーテン閉め忘れてる。 おじさんがポテチ食べながらテレビ見てる。 完全に見えてる。 おじさんも気づいてない。 なんか目が合った。 お互い気まずい。 カーテン閉めろ。 読みかけの本を閉じる音。 冷めかけたコーヒー。 テーブルの...
深夜の窓辺に立つと、
街は遠い水槽みたいに光っている。
誰かの帰宅、
消し忘れた部屋の灯り、
名前も知らない生活たち。
それらを眺めていると、
自分だけが世界から少し浮いている気がする。
読みかけの本を閉じる音。
冷めかけたコーヒー。
テーブルの端に置かれた沈黙。
夜...
光の海が横に広がって、
3440ピクセル分の夕暮れが待っている。
RTX 4070が静かに息をして、
タイムラインの上で色が踊る。
32ギガバイトの記憶が、
ひとつの映像をそっと抱きしめる。
30万円。
夢の輪郭が、ちょうどそのくらいの重さだった。
曲面のガラスに映る自分の顔。
編...
バカでいい、と思った朝
霧の中を歩いていた
賢い人は地図を持ち
わたしは空を見ていた
難しい言葉を知らなくて
会議の隅でうなずいた
でも夕焼けの色の名前は
百個ほど持っていた
バカは損だと誰かが言う
そうかもしれない、そうかもな
けれど川の流れる音に
立ち止まれるのは誰だろう
...