初夢の続きは (5)
- カテゴリ: 学校
- 2013/01/12 20:11:59
人は、それぞれの想いを抱いて誰かを見つめている。
その瞳の先に愛しい者を捉える者。
その瞳に己が未来を映す者。
その瞳の奥に憎悪の炎を宿す者。
それぞれが、それぞれの事情を抱いて未来を見つめている。
その者の瞳に映る世界は……。
『初夢の続きは』 scene5 『...
人は、それぞれの想いを抱いて誰かを見つめている。
その瞳の先に愛しい者を捉える者。
その瞳に己が未来を映す者。
その瞳の奥に憎悪の炎を宿す者。
それぞれが、それぞれの事情を抱いて未来を見つめている。
その者の瞳に映る世界は……。
『初夢の続きは』 scene5 『...
石段に座り、ただ無心に空を見上げていた
ゆったりした雲の行方に、どこまでも続く空の青に
見入っていた
いつまでも、いつまでも
そうしていた
気が付くと
隣にだれか居る事に気付いた
隣でサラサラと髪が風になびく音がした
誰かが隣で
一緒に空を眺めてくれていた
けれどもお互い無言
言葉を交わす事も無く...
偶然を司るもの、それは神か? 確率か?
その問いに答えられる者は居ない。
どちらにしても人は導かれるように
数多の出会いを偶然と繰り返す
次に巡り会う人物とはどんな関係となるのだろうか?
友人? それとも恋人? あるいは敵?
幸せな出会い? 不幸な出会い?
出会うことに意味があるのではなく
出会...
屈強な男は熱っぽく語った
運は自らの手で掴み取るものだと……
妖艶な女は瞳を潤ませ言った
運はその身に引き寄せるものだと……
老婆はしゃがれた声で不敵に笑った
運は他者から掠め取るものだと……
ならば幸運の在処は...
風が揺れていた……
風の気配を感じていた……
何も見えない
何も見ることが出来ない
けれども感じる、優しい気配
誰からか発せられているモノだろうか?
まるで迷路に放り込まれたかのように
自然と気配というゴールへと向かっていく
やがて辿り着い...