ともしびの消えたのちに
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/07/28 22:01:07
おまへはもう 遠い星の国へ行つてしまつた
あんなにやさしかつた 声も微笑みも
今はもう どこを探しても見つかりはしない
ただ つめたい風が窓を叩くだけだれもゐない部屋で 私はひとつの灯をともし
おまへの愛した ふるい歌を思い出してゐる
けれど音楽は すぐに涙のなかに沈み
暗い夜の底へ しづかに消え去...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
おまへはもう 遠い星の国へ行つてしまつた
あんなにやさしかつた 声も微笑みも
今はもう どこを探しても見つかりはしない
ただ つめたい風が窓を叩くだけだれもゐない部屋で 私はひとつの灯をともし
おまへの愛した ふるい歌を思い出してゐる
けれど音楽は すぐに涙のなかに沈み
暗い夜の底へ しづかに消え去...
だれもゐない砂浜に 夜はしづかに降りてきて
波の言葉は かすかな囁きをくりかへす
青い月光が 寄せてはかへる水の面(も)に
まるで傷ついた記憶のやうに 揺れてゐる私はそこに ひとつの古い夢を置いたのだつた
風がすぎてゆけば すべては消えてしまふのに
私の心はまだ あかるいあの方の面影を
このつめたい...
夢見たものは ひとつのやさしいあかるい海
雲はちぎれて 空の果てまでながれ
濡れた砂の上には 小さな海鳥が
いつのまにか ひとりでたたずんでゐるひるすぎの風は まつすぐに海をわたり
波の音は やがてかなしい調べにかはる
海鳥よ おまへはなにを待つといふのか
もうすぐ日が暮れるのに まだ飛ばないのかあ...
序文(まえがき)ひとつの旅のやうに、私の心のなかの風景はうつろひ、そしてここに小さな手帳となって留まる。はじめに白浜のひるすぎの、あのあかるい光のなかにたたずんでゐた一羽の海鳥が、私のなかの孤独の形であつた。それはやがて、だれもゐない夜の渚にそそぐつめたい月光となり、私のすべてであつたあの人への、か...
見上げるほどに
まぶしき夏の青空よ
我が心の暗さを憐(あわ)れむごとくに雲ひとつなき
大空の青さに耐えかねて
黒き己の影ばかり見つめおるこれほどに
世界は明るく輝くに
影を引きずる私一人かなどこまでも高き
真夏の空を仰ぎては
我が孤独の深さに涙こぼるる青空が
あまりにきれいに晴れわたるゆえ
地(つち...