Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

夜が明けるまで

誰もいないバーの片隅、
氷が溶けて、琥珀色の液体に細い筋を描く。
世界がどれほど騒がしくても、
ここには、厚い沈黙の壁がある。読み飽きた新聞の文字が、
意味を失って、ただの黒いシミに変わる。
何者でもなく、どこへも行かず、
ただ、自分の重みだけを感じている。壁の古時計が、重たい秒針を刻む。
それは何...

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煙る琥珀の夜

午前二時の止まった時計、
部屋にはバーボンの乾いた香りと、
消え損ねたラッキーストライクの煙。
レコードの溝を這う針が、
彼女の吐息を静かに拾い上げる。「Cry Me a River」
その低いハスキーな調べは、
氷の溶ける音よりも冷たく、
別れた男の言い訳を、
グラスの底へ沈めていく。ベルベットの...

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名もなき防風林

湿った夜風が 誰かの軒先を叩こうとする
俺はただ その風の通り道に背中を預け
煙草の火も点けず 闇の一部になって立っている「おやすみ」
その一言が 家々の窓から零れ落ちて
温かなシーツの中に 静かに沈んでいく
その安らかな寝息を 一秒でも長く守るために
俺の掌は 冷たい鉄柵を握りしめている助けを呼ぶ...

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コーヒーの熱が逃げるまで

冷えたガード下 誰かが忘れたビニール傘
折れた骨を直す手立てもなく ただそこにある
「世界は残酷だ」なんて 今さら言うまでもないが
せめてこの 自販機の缶コーヒーくらいの熱は
誰かの指先に 届いてもいいはずだ俺の掌は もう何も掴めはしない
誰かの涙を拭うには あまりに荒れてしまったが
向こうから歩い...

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風を通す

飲み干したコップの縁に 一滴の重みもない
窓の外では 名前も知らない誰かが泣いているが
俺の鼓膜を震わせるのは 遠い換気扇の唸りだけだ「明日はきっと」
そんな甘ったるい期待は とうに胃酸で溶かした
期待を捨てるたびに 身体は少しずつ軽くなり
今では 通り雨すら俺を素通りしていく握りしめる拳の中に 守...

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