Nicotto Town



黒猫目日記72 (おもちゃのタマゴ)

広場の露天風呂あとには大きな石の台座が据えられて、淡い色合いのおもちゃの卵がいくつも置いてある。
台座の中央には蝶の羽を生やした妖精がふわふわと浮かんで居る。
おもちゃの国の妖精殿と申すらしい。
「ニコットタウンをお花でいっぱいにするために来たんだけど、おともタマゴたちだけじゃぁ たよりないのよねー...

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黒猫目日記番外14 (お題 春を感じるもの)

ニコット山の奥深くにコハル一家は温泉宿を構えておったと聞く。
この前スキー場に行ったとき随分と雪深い所だと思った覚えがある。
春も深まりそろそろ山に緑も芽吹いたことであろう。

春を一番に誘うものは蕗の薹、たらの芽などの蕾たちだ。
天麩羅にすると実にうまい。
もう少し暖かくなると土筆やワラビ、コゴミ...

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黒猫目日記71

満開の花とともにコハル一家は去っていった。
広場の露天風呂も跡形もなく埋め立てられてあんなにあった桜の木々も伐採されておった。
代わりに色鮮やかな花々がそこかしこに植えられ賑やかな春を彩っている。

桜の花は儚いもの、一陣の風に舞い散る夢のごとくコハル達との出会いもまた、春の夢のようであった。
密か...

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黒猫目日記70 (花見の宴)

春爛漫、長い冬が終わり漸く春がやって来た。
コハルの呉れたさくらんぼの種を埋めておいたらいつの間にか大きな木になっておった。
しかし、この街の草木は育つのが異様に早い。一晩で見事な桜の木が生えてしまった。
あちこちの庭で桜の大木が美しい花を咲かせて、風が吹けばひらひらと花びらが舞っている。
拙宅の桜...

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黒猫目日記69 (レア魚 カエルのフー太郎)

また釣り堀で妙なものを釣り上げた。
赤いスカーフをつけた緑の蛙が引っかかって来た。
ぐったりしていたので家に連れ帰って風呂場の桶につけてやると元気になったようだ。

「ふいー助かった。ありがとよ。誤って変なところに迷い込んじまったよぉ」
「オイラはカエルのフー太郎ってもんだ。ちょっと聞きたんだが、オ...

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