冷たい雨が本降りになって
かさの花が咲く
寄り添うように1本の傘で
人ごみの中を歩いていく
二人は押し黙ったまま
こんなことはもう
お終いにしなければならないのかも
私はあなたを愛している
あなたは私を愛している
でも現実はついて来ない
路地裏で傘を落として
そっと口づけを交わす
こんなに愛...
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冷たい雨が本降りになって
かさの花が咲く
寄り添うように1本の傘で
人ごみの中を歩いていく
二人は押し黙ったまま
こんなことはもう
お終いにしなければならないのかも
私はあなたを愛している
あなたは私を愛している
でも現実はついて来ない
路地裏で傘を落として
そっと口づけを交わす
こんなに愛...
24時間営業の店で
おしゃべりしたあの頃
会社の終わるのを待って
屋台に行ったあの頃
どこに行ってしまったのだろう
寒いこの町でも
雪はほろりとも降らない
北風にあおられて
北国に行ってしまう
あなたと行きたかったあの街に
出会って
恋に落ちて
二人寄り添って
一緒に歩いて
口づけを交わして...
それでも日々は過ぎていくのだろう
近所の奥さんと立ち話をしたり
子供の参観日に行ったり
クリスマスにはケーキを焼いたり
サンタさんの役をやったり
それでも日々は過ぎていくのだろう
日記をつけるこんな夜は
ため息が出る
毎日が矢のように飛び去っていく
どんどんとかこは遠くなる
左指のリングには...
都会から離れた小山のうえに
あなたと行ったわね
もう小寒になった春の日に
木々も寒くなった晴れの日に
秋を見つけに行ったわね
「ちゃんとコートを着ておいでよ」
そんな一言を守りながら
坂道を歩いたわね
「ほらご覧、春の日を待っているんだ」
もう冬の準備をしながら
車に戻って
ポットの温かいコ...
天気予報が
冬の訪れを運んできた
寒さは予報だけじゃなく
心を吹き抜けていく
木枯らしの足音
カサカサと音を立てる
楽しかった夏は
あっという間に過ぎて
秋の予報と共に
消えて行った愛の塊
予想できなかった恋の終わり
「別れよう」
あの一言に
何も言えなかった
私たちの夏に
ピリオドが打たれ...