ひとひらの言の葉が空に舞ひあがり
つめたい風はそれを遠くへはこぶ
森の葉はさやぎ 草はひそかに囁き
言霊は光のなかでやはらかく息づくおまへが口にしたちいさな祈りは
いつしかひかりの環(わ)となってひろがり
しづかな夕べの空にむすばれてゆく
なみだのあとには美しい虹がかかるやうに私はただ 窓辺によりか...
ひとひらの言の葉が空に舞ひあがり
つめたい風はそれを遠くへはこぶ
森の葉はさやぎ 草はひそかに囁き
言霊は光のなかでやはらかく息づくおまへが口にしたちいさな祈りは
いつしかひかりの環(わ)となってひろがり
しづかな夕べの空にむすばれてゆく
なみだのあとには美しい虹がかかるやうに私はただ 窓辺によりか...
ひとつの言の葉をちぎつては風に放つ
それは青い空の涯にきえてしまふのだらうか
それとも誰かの耳朶をかすめて
遠い日の記憶をふたたび蘇らせるのだらうかわたしはまつすぐに歩きつづけていた
いつかのやうに夕映えのなかで口笛を吹きながら
道は草に埋もれ 雲はちぎれてながれ
すべてはうつろふ影のやうであったの...
私は存在しない幻影、窓辺の椅子に、ひとひらの さふらん。風が吹けば、ふつと消えてしまふ霧に濡れた、小さな村の、或る日曜日の午后。(あなたは、私の影を追つて、 もう、どこにもゐない私の声を聞かうとする)もうよいのです、あかつきのさみしい部屋で、私は、私の夢を築いてゐたのだから。その、誰も知らない、ささ...
幻影の証明失礼。そこに私が座っているように見えますか。もしそう見えるのであれば、それはあなたの瞳が、この空虚な夜を埋めるために見せた、優しい錯覚に違いありません。指先で弄ぶこの古いコインも、胸ポケットで時を刻む銀の時計も、実のところ、重さなどどこにも存在しないのです。光の加減でそこに在るように見える...
泡沫(うたかた)の沈黙お気付きですか。この世の理(ことわり)とは、弾けるのを待つ泡のようなもの。私の言葉も、あなたの吐息も、この瞬間に生まれては、次の瞬間には虚無へと還る。それを「悲劇」と呼ぶのは、少々野暮というものでしょう。「たまゆら」……ほんのひと時。玉が触れ合うかす...