硝子の破片と、春の塵
- カテゴリ: 日記
- 2026/04/18 22:48:18
夜風が少しだけ、湿った土の匂いを運んできた。
冬の残党が吐き捨てた最後の溜息に、
微かな甘い毒が混じる。
それを世間は「春」と呼ぶらしいが、
俺の肺には、ただ重く沈殿するだけだ。見上げれば、都会の煤に汚れた夜空。
輝きを忘れた星どもが、
砕け散った硝子の破片のようにバラ撒かれている。
「星屑」なんて...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
夜風が少しだけ、湿った土の匂いを運んできた。
冬の残党が吐き捨てた最後の溜息に、
微かな甘い毒が混じる。
それを世間は「春」と呼ぶらしいが、
俺の肺には、ただ重く沈殿するだけだ。見上げれば、都会の煤に汚れた夜空。
輝きを忘れた星どもが、
砕け散った硝子の破片のようにバラ撒かれている。
「星屑」なんて...
ああ、長崎。この街は、どうしてこうも坂ばかりなのでしょう。
息を切らし、自らの罪の重さをふくらはぎに感じながら、私は本河内の急な石段を這うようにして登っておりました。滑稽な姿です。まるで地獄の針の山を登る亡者のような、それでいて一丁前に「救われたい」などと願っている、恥ずべき男の姿です。 ...
ピレネーの冷たい風が、コートの襟を叩く。
マッサビエルの洞窟は、
誰かの罪を飲み込んだ後のように口を開けていた。羊飼いの娘は、幻を見たという。
俺たちの世界じゃ、そいつは「イカれてる」か
「見ちゃいけないものを見た」かのどっちかだ。
だが、彼女が指先で土を掘り返すと、
そこから溢れ出したのは血じゃな...
ああ、神様。あなたは本当に、意地が悪い。
ピレネーの麓だか何だか知りませんが、こんな遠いところまで、わざわざ恥を晒しにやって来る人間の身にもなっていただきたいのです。 ルルド。そこには病を治す不思議な水が湧いているのだと、誰かが書いた古ぼけた雑誌の端に書いてありました。私はそれを、鼻で笑いました...
桜の降り積もる墓標の陰で、わたくしがそうして、甘い絶望の淵を彷徨っておりますと、
不意に、遠い港の方から、低く、重々しい汽笛の音が響いて参りました。ボーッ、という、あの心臓を直接掴まれるような響き。それは、わたくしのような不調法な人間をも、無理やりにこの現世(うつしよ)へと引き戻そうとする、無遠慮な...