松の内も今日まで、拙宅の松飾りもすでに取り払った。
里の挨拶回りはすでに済ませたが、遠い都に住んでおられるお爺様の従兄弟方には流石にお年賀参りは出来なんだ。
そもそも、其れがしはあまり旅をしたことが無い。里の知り合いのご親族には遠く異国にまで出掛けられた方もおられると聞く。
都の御館への参賀以外で...
松の内も今日まで、拙宅の松飾りもすでに取り払った。
里の挨拶回りはすでに済ませたが、遠い都に住んでおられるお爺様の従兄弟方には流石にお年賀参りは出来なんだ。
そもそも、其れがしはあまり旅をしたことが無い。里の知り合いのご親族には遠く異国にまで出掛けられた方もおられると聞く。
都の御館への参賀以外で...
先日作った七草粥はことのほか姫のお口に合ったようで『美味しいね~このシチュー』と何杯もおかわりをされていた。
そう、変に凝りすぎて色々入れた結果すでに粥とは到底言えぬものに変容してしまった故、開き直って野菜シチューとしてお出しした。
まあ、沢山野菜を取れるので良しとしよう。
しかし、...
今日は七日、七草粥を作って食そうとおもう。
古来より春の野草を食して邪気を払い、正月の祝い膳でもたれた胃を養生するためにこの日に七草粥を食べる風習がひろまっている。
一般には芹・なずな・御行・はこべら・仏の座・すずな・すずしろの七種類だか、この街にも在るのだろうか。
すずしろは大根のことじゃ 其れが...
この街の門々には七福神の神々が立っておられる。他の国では見かけない光景だ。
妖魔が跋扈する街ゆえ神々もお姿をお見せになられるのであろうが、お声をかけると必ず絵馬を勧めてくる。
神様にも『のるま』なるものが在るのであろうか。
街を歩いて見たが皆、故郷に帰省をしておるのだろうか人影がまばらだ。
この街...
暮れに里より幾ばくかの仕送りがあった。
姫に使えるこの身を憂いて苦しい中、兄者も無理をして都合して下されたのであろうと感涙にむせた。
正月に里に戻って見れば屋敷の普請が進んでおった。なんでも秋口の嵐で屋根が酷く傷んだので金に成りそうな物を売って修繕をすることになったそうな。
はて、山里の田舎家故に...