謹賀新年
暮に姫が里帰りをなされた。其れがしも共をしてお屋敷までお送り致した後里に戻ってゆっくりと年越しをした。
随分とと長らく姫とお会いできなかった去年だが、くりすますにお目にかかれてから運気が上がってきたようだ。
旅の途中にも姫はご機嫌で街であった事や仲良くなられたお友達のことなど色々お話下さ...
謹賀新年
暮に姫が里帰りをなされた。其れがしも共をしてお屋敷までお送り致した後里に戻ってゆっくりと年越しをした。
随分とと長らく姫とお会いできなかった去年だが、くりすますにお目にかかれてから運気が上がってきたようだ。
旅の途中にも姫はご機嫌で街であった事や仲良くなられたお友達のことなど色々お話下さ...
暮れも押し詰まってくると街中も賑わってきた。
くりすますのピカピカきらきらとした様相と打って変わり松飾りやしめ縄などの落ち着いた飾り付けが建物を覆っている。
街を歩く人も着物や羽織袴が目立つ。中には雪だるまなどと訳の解らぬ格好の者もおるが・・・
巫女姿の女人も多く見受けられる。山の登り口の神社には...
思えばこの一年、振り返ってみれば慌ただしい年であった。
姫の影供を任ぜられてこの街に来てみたが、慣れぬことに右往左往して過ごすばかりじゃった。
見るもの全て物珍しく驚かされることも多々あった。特にあの猫の首南京にはぎょっとさせられた。
姫より頂いた使い魔の茶太郎も未だそれほど役には立たぬうえに新たに...
姫・・・・・・・・急いで追いかけたがお姿を見失ってしまった。
ようやくにお会いできたと云うに、お言葉を交わしたのもホンの一言二言あっという間に雑踏の中に消えてしまわれた。
あれは本当に姫であったのであろうか・・・まるでこの手のひらですっと消えてしまうあわ雪のような儚い幻であったのだろうか・・・・・...
今日は切人なる偉人の生誕前夜じゃそうな。多くの人々に敬愛されるかの方の生誕日には数々の奇跡が起こるという。
騒めく街の声に耳を傾けておると何やら心がウキウキとしてくるようじゃ。
広場の灯台に登って街を見渡しておると! あれは!姫ではないか!
ひめ~~~~~~!!!
「あ、黒ちゃん 久しぶり~ ...