連載 仮想空間のカオス18
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/03/26 20:28:31
メールを読んだ翌日、美優は、fの真意を確かめるため、タウンにログインした。ためらうことなく、fのスペースへ移動する。予想していた通り、fと翔のアバターきなこ@がいた。
「あ、美優」
翔が美優のアバターに気付いて声をかけた。
「ここでは、繭音@って呼んでよ。知らない人だっているんだし」
美優は語気を強...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
メールを読んだ翌日、美優は、fの真意を確かめるため、タウンにログインした。ためらうことなく、fのスペースへ移動する。予想していた通り、fと翔のアバターきなこ@がいた。
「あ、美優」
翔が美優のアバターに気付いて声をかけた。
「ここでは、繭音@って呼んでよ。知らない人だっているんだし」
美優は語気を強...
翔は羽太郎の死に冷静だった。
「羽太郎、ありがとう」
旅立った羽太郎をなでながら、静かに別れを告げた。あっけない別れ方であった。
翔は淡々と受験に臨み、そして合格した。高校生活の準備、入学、新しい高校生活ー翔は感情がまるでないかのように、日々をすごしていた。
無表情な翔を新しいクラスメイトは、クー...
その日、塾はお休みだった。明日からは「直前!集中講座」が始まる。
決戦前の静けさのような日がぽっかりできたーそんな日であった。
自宅学習も思いがけぬほど順調で、一区切りついた。羽太郎の流動食の時間にはまだ早いなぁと思いつつ、鳥かごを見た。
いつのまに春の日差しになっていたのだろう。やさしい光が鳥かご...
時期的にぎりぎりの進路変更。合格ラインぎりぎりの志望校。学校の授業も塾の授業も緊迫度が増していった。自宅での学習は更に苛酷だった。日に日に睡眠時間を削り熾烈なものになっていった。
学習の合間に羽太郎の給餌と排泄補助。
ようやく寝ても、朝、学校に出かける前に羽太郎の世話をする時間が必要だったから、眠く...