そうだ雪が降っていたこの景色はすべてが冷たく白かった
今はどうだろう吹く風も暖かく全てが緑に萌えている
つるバラも無数の蕾を付けたもうじき赤い小さな花を咲かせる
枝に触れると棘が痛い私もバラも生きているのだ
瞬時に思い出すそうだ雪が降っていた
心の小さな感傷が冷たく白い雪に温かな涙を落とした時を
今...
そうだ雪が降っていたこの景色はすべてが冷たく白かった
今はどうだろう吹く風も暖かく全てが緑に萌えている
つるバラも無数の蕾を付けたもうじき赤い小さな花を咲かせる
枝に触れると棘が痛い私もバラも生きているのだ
瞬時に思い出すそうだ雪が降っていた
心の小さな感傷が冷たく白い雪に温かな涙を落とした時を
今...
私があなたを好きになったのは私ではなく鏡の中の私だった
自分の部屋が背景に映り込んだ鏡の中の私がそう言ったのだ
人を信じることのない私が鏡の中の私を信じてしまった
不完全な愛はここから始まった
街の大きなショッピングウインドウに映る私と彼の映像
おしゃれな格好をして手をつないでいる
それを見た瞬間が...
海が見えるそこにあなたはいた
潮の香りがするそれはあなたの香りだ
眩しく照り返す夏の光それはあなたの眩しさだ
熱く燃える砂浜に溶け込む裸体が輝く
風が吹く強く絶え間なく
目を細める振り返りざまの笑顔が飛び込む
波の音が聞こえるあなたの声が消される
私は立ち上がり手を振る夏のリズムが聞こえる
光はこれ...
あまりの晴れやかな日に虫たちは行進をする
広い庭の端から端へ虫の獣道がそこにはある
虫眼鏡でも見えない足跡が無数にある
私も小さくなって道を歩く背中に羽があったら飛べるのに
アリもダンゴムシもそう思っているとさっき知った
春の日差しが暑い草の葉の陰で一休み
急いで餌を運ぶアリが言ったもうじき雨が降...
遠い日の思い出は
ぼやけているけど印象的だ
笑った顔
怒った顔
笑った声
怒った声
化粧の香り
香水の香り
服の色目
髪の形
遠い日の思い出は
ぼやけているけど印象的だ
花びらが風に舞い散るように
一つ一つが落ちてきて欲しいな
その一つ一つ手の...