Nicotto Town



独りの部屋

夜が壁を這ってくる
時計の音だけが 
この部屋の時間を信じている カーテンの隙間に月の骨
うすい影が
私の輪郭を なぞっては消す 声を出せば、沈む
沈黙は ここでは王だ
名もない感情たちが 
椅子の上で膝を抱えている 独り――
という名の 
柔らかい檻 誰も触れない
けれど誰より...

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落下する薔薇について

人はなぜ、むやみに死にたくなるのか。
それは、夜空に咲いた花火が、火傷するほど美しいから。
それは、崖の下に吹く風が、秘密を囁く恋人の声に似ているから。 死とは、決して終わりではなく、
封を切られぬラブレターであり、
決して触れられぬ皮膚の温度であり、
永遠に熟れない果実の、香りのようなも...

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ひまわりの花が
悲しげに揺れるのを

あなたは見たことが
ありますか?

太陽みたいに
明るい花だけど

いつかは枯れる日が
くるの・・・

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猫のいない部屋

猫の一生は、思っているよりずっと短い。
僕たちが季節をひとめぐりするあいだに、
彼らは生まれて、眠って、静かに去ってしまう。 窓辺の光の中に、
今も彼の背中の形だけが残っている気がする。
風がカーテンを揺らすと、
そこに小さな影が戻ってくるように見えるんだ。 死んだという事実は、
ただ静...

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ひとり上手のさみしがり屋

ひとりが好き、誰にも会わずにいたい。
でも、寂しさがやってきて、
「ねえ、ぼくをかまってよ!」と鳴く。 部屋で静かに読書したいのに、
スマホの通知音がまるで魔の囁き。
「誰かいる? いない? あれ、やっぱりいない?」
自問自答のループに突入。 一人って楽だけど、ちょっと退屈。
でも誰かが...

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