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金田正太郎

「風の又三郎 1941」#2-7

 そこに鈴が二人分の羊かんと麦茶を盆に乗せて入って来た。照子の前には漆塗りの皿に厚く切った羊かんが二つ、竹製の平たい爪楊枝が添えてある。三郎は明日の授業に体操服が必要なことを鈴に言うために鈴を探していた。そのことを聞いた鈴は、寝る前に枕元に置いておくと言って食堂を出た。照子はここに来た理由を話し、三...

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「風の又三郎 1941」#2-6

 道子を家まで送った照子は畑に急いだ。サツマイモの収穫を手伝うためだ。去年の今頃は始業式早々、発熱のために寝込んでいた。今年は体調が良い。父も母も祖母も無理に手伝うなという。 「ただいま」  照子は畑に飛び込んだ。父はイモを詰めた箱を運んでいた。祖母と母はイモを畑から抜いていた。父はイモを詰めた...

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「風の又三郎 1941」#2-5

「哲也、何をしとるんや」  声をかけたのは、加多村の村長だった。哲也の祖父でもある。哲也は三郎が学校の屋根から瞬時に降りたことを話した。 「なあ、じいちゃん。そんなことできる者がおるか」 「そやな、義経か」 「またかいな」  哲也は祖父から、この村に義経一行が立ち寄ったことがあると常々聞い...

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「風の又三郎 1941」#2-4

 グライダーは運動場に落下する直前に上昇した。そして、風に乗って高く舞い上がった。グライダーは降下と上昇を繰り返しながら校門の前に広がる収穫が終わった畑に落ちていた。 「飛びすぎた」  三郎の声だった。いつの間にか三郎が運動場に降りていた。 「とってくる」  道子が畑に走り出した。それを二年...

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