Nicotto Town ニコッとタウン

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六月の雨のなかの惜別

六月の雨は しづかに降りつづき
あぢさゐの森を ふかく濡らしてゆく
うつろふ花びらの あをい影のなか
わたしのこころは ひとり迷つてゐるあなたの言葉は ひとしづくの露
葉すゑに震へて すぐに消えてしまつた
呼びかける声は 霧にさへぎられ
冷たい風だけが 黄昏を渡る薄暗い雨の光が あわく差し込んで
も...

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暁の夕日

夜が明ける前の 深い闇のなかで
古いレコード盤が 静かに回りつづけてゐる
ビリーの歌ふ「奇妙な果実」の気だるい響きが
部屋の隅の 煙草の煙に溶けてゆく
遠い記憶のやうな青いよどみ窓の外を見れば 東の空がかすかに震へ
夜明けを告げる 暁(あかつき)の光が生まれる
私の心にあるのは
いつか異国の砂漠で見...

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白い雲と旅立ち

ふと見あげれば 窓のむこうに
おおきな 白い雲がわき起こつている
それは あたらしい季節のまねき
青い空のキャンバスに ぽつくりと浮かんだ
ちひさな ちひさな 旅人のやうにわたしは ペンをそつと置いて
まだすこし濡れている 青いノートを閉じる
わすれな草のページは 胸のなかにしまつて
いま あたらし...

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わすれな草のページ

わたしは ノートのすみに
小さな わすれな草の絵をかく
その花びらは 空のかけらのやうに
しづかに しづかに 青くひかる
それは あなたへのひそやかな約束春の風が また頁(ページ)をめくれば
花の匂ひが 部屋にひろがる
「わたしを忘れないで」
小さな花のことばが インクの文字になって
わたしの胸のな...

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あかるい朝の光

やがてオルゴールは うたひ終はり
しんとした闇のむかうから
あたらしい朝のひかりが こぼれだす
青い霧は 窓辺から立ち去り
世界はもう一度 きらめきをとりもどすだれもいない部屋の すみずみまで
やはらかな光の帯が のびてゆく
あんなに深く かなしかった夜も
このひかりのなかに とけてゆくのだ
それは...

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